「スクールガール・コンプレックス」「ソラリーマン」と独自の目線で切り取った写真が人気の青山裕企さん。
自身の作品だけでなくアイドルの写真集から広告媒体なで多岐に渡り活躍される青山裕企さんの使用されるカメラや機材からプロフィールまで徹底解剖していきたいと思います!
この記事の目次
写真家 青山裕企とは
青山裕企(あおやま ゆうき) 1978年ー41歳 愛知県名古屋市生まれ
筑波大学第二学群人間学類心理学専攻卒ー東京写真学園プロカメラマンコース本科卒
フリーランスー事務所「ユカイハンズ」設立
2017年に第16回写真新世紀優秀賞受賞
青山裕企さんは1978年生まれの愛知県名古屋市出身です。
筑波大学第二学群人間学類で心理学を専攻しました。
大学卒業後は東京写真学園プロカメラマンコース本科で写真を学びフリーの写真家となり、2005年には自らの事務所「ユカイハンズ」を立ち上げ荒れています。
2009年には東京ビューティーアート専門学校の講師を務めました。
サラリーマンや女子高生など日本社会における記号的な存在をモチーフにした作品を撮影されています。
自身の思春期観や父親像を反映した作品が多いのが特徴で、2014年には映画「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」で映画監督デビューしました。
青山裕企さんは子供の頃から運動が苦手でコンプレックスの塊だったそうです。
現在は積極的に表現活動を行っていますが、かつては人見知りで部活などに打ち込むわけでもありませんでした。
勉強は子供の頃からできたそうですが、友人たちの間でガリ勉のイメージが付いてしまいコンプレックスを感じていました。
女性にもモテずこのままでは駄目だと思い、大学では心理学を専攻して人間の心を知ろうと考えます。
さらに宿舎生活で自分を鍛え直す機会を得ました。
しかし机上の勉強だけで本当に人間を理解できるのかと悩み、大学入学から間もなくして宿舎に引き篭もるようになります。
自転車で日本横断を決意
ある日自転車旅行の本を読んだことをきっかけに、自分も自転車で日本縦断をしようと考え、運動音痴で人見知りでも日本縦断を達成すれば自分を変えられるだろうと思ったそうです。
旅の途中で壮大な北海道の風景に出会って感動し現地で一眼レフを購入します。
広大な北海道の大地を走っているとそれまでの悩みが消えていきました。
そしてこの美しい景色を残したいと思うようになり写真の世界に入って行くことになります。
青山裕企さんは北海道から沖縄の与那国島までおよそ5000キロメートルを走破し、自信を取り戻したことで大学に復学できるようになりました。
また旅をきっかけとして出会った写真の魅力にさらに引き込まれていき、最初はプロの写真家になることを考えていなかった青山裕企さんですが、その後世界2周の旅に出ます。
グアテマラでシャワーを浴びているとき、直感的に写真家になることを決心し大学卒業後はフリーのカメラマンとして活動を開始しました。
2005年には自身の事務所を立ち上げ、写真家としてだけでなく専門学校の講師や映画監督など幅広く活躍し続けています。
青山裕企さんが使用するカメラ・機材
青山裕企さんが学生時代に購入した一眼レフはニコン製でした。
その後フリーカメラマンとして活動を開始するに際して改めて機材を調達します。
フリーランス初期はNikon D2X
そのとき購入したのはニコンD2Xです。
フィルムカメラも所有していたそうですが、デジタルカメラをメインで使用しています。
一般的に写真家はカメラのメーカーを揃える傾向があります。同じメーカーであればレンズも互換性があるので、カメラの機種を変えても使用することができます。
複数のメーカーのカメラを使用していると、基本的にそれぞれに対応したレンズを揃える必要があります。
青山裕企さんはもともとニコン派でしたが、その後他のメーカーのカメラも使用するようになりました。
Canon EOS 5D markⅡ
Canon EOS 5D markⅡ
Nikon D300
Nikon D300
PENTAX 645D
PENTAX 645D
撮影ではキヤノン5DMark IIやニコンD300、ペンタックス645Dを主に使用されています。
またニコンD3sも使ってみたいと考えているそうです。
青山裕企さんは被写体によって使用するカメラを変えられていて、それぞれのカメラで用途は完全に異なります。
ペンタックスのカメラは展示用の作品を撮影する際に使用しています。プリントはフィルムにこだわるかデジタルに移行するか悩むそうですが、フィルムと645Dの両方を使い分けます。
青山裕企さんはデジタルデータよりもフィルムの方が扱いやすいそうです。
フィルムには科学的な色味があるとされ、同じ被写体を撮影してもフィルムとデジタルでは仕上がりに違いが現れます。
青山裕企さんの場合は仕事で撮影する際に色味はあまり気にしないそうです。
現在の仕事の多くは作家性を問われる芸術的なものなので、イメージに合った写真が撮れるようカメラを使い分けます。
青山裕企さんの代表作である「スクールガール・コンプレックス」のようにアイドルを撮影する場合はキヤノン5DMarkIIを使用します。
ニコンのカメラはイベントやブライダルなどの写真を撮影する際に使うそうです。
撮影後に色味の調整をすることもありません。ストロボやレフもほとんど使わず、自然光だけで撮影をしています。
基本的に自然光を使うことで、撮影後に補正をしなくて済むようにするのが青山さんのスタイルです。
ニコンのカメラで撮影する際にも、画角が50ミリでf値が1.8の単焦点レンズを使用されています。
開放f値が小さいほど背景をぼかして明るい写真を撮ることができ、フルサイズのカメラで50ミリの画角はポートレートの撮影に適しています。
青山さんはプロの写真家なので50ミリの単焦点レンズだけでも優れた作品を生み出すことができます。
その他に青山裕企さんはマミヤの6×6やC330Sなど、二眼の蛇腹カメラも使用しています。
青山裕企さんのインスタ・SNS・HP
オフィシャルサイト
@yukiao
オフィシャルサイトでは、一部のポートフォリオが公開されていて青山裕企さんの代表作である「スクールガール・コンプレックス」や「ソラリーマン」なども見ることが可能です。
インスタグラムは「スクールガール・コンプレックス」に近い、女子高生を中心とした写真を多くアップされていて、思春期だった頃の何とも言えない、ちょっとエロチックな気持ちにさせられてしますかも(笑)
Twitterでは近況報告や告知などの最新情報がアップされていますので、気になる方はどのサイトもチェックした方がいいかもそれませんね!
青山裕企さんの写真集や作品
コンセプトがはっきりとして「そこを突くか」なところをせめてくる青山裕企さんの作品は見ていて飽きず、ハマる方はどんどんハマっていくこと間違いなしの写真集が揃っています。
スクールガール・コンプレックス
スクールガール・コンプレックス SCHOOLGIRL COMPLEX
「スクールガール・コンプレックス」は2013年に小沼雄一監督によって映画化されています。
思春期の青山裕企さんが女性に対して抱いていた複雑な感情や妄想、欲望を記号化した作品です。思春期の儚さや危うさを多面的に表現されていてかなりのシリーズがあります。
絶対領域
また「スクールガール・コンプレックス」の派生系のようなシリーズも存在し、「絶対領域」や「裸にいっぴん」など、ちょっとエロいものから際どいものまで、なかなかのフェチズムを満たしてくれる作品があります。
ソラリーマン
ソラリーマン
「ソラリーマン」はごく平凡なサラリーマンが空を飛ぶヒーローになる瞬間を描写したものです。亡き父親の理想像に重ねながら作品が制作されています。
むすめと!ソラリーマン
こちらも続くシリーズがあり「むすめと!ソラリーマン」などの派生系もあります。
むすめの顔とお父さんであるソラリーマンの対比が面白い仕上がりになっています。
また広告写真やアイドル写真の撮影が多いのも青山さんの特徴です。
最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。
さらに写真家としてだけでなく映像作家としても活躍しています。
さよならポニーテールのミュージック・ビデオを手がけただけでなく、2014年には「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」で映画監督デビューもしました。
これまで青山裕企さんは多くのアイドルも撮影されていて、特に秋元康さんによってプロデュースされたアイドルが多く見られます。
例えばSKE48や元SKE48の松村香織さん、HKT48の指原莉乃さんなどがモデルとなっています。
指原莉乃1stフォトブック『さしこ』
指原さんのファーストフォトブック「さしこ」や松村さんのファースト写真集「無修正」は青山さんの作品です。
HKT48についてはCDジャケットの撮影も行われています。
元乃木坂46の生駒里奈さんのファースト写真集「君の足跡」も青山裕企さんの作品で、その他にも橋本環奈さんや広瀬すずさん、吉高由里子さんなどがモデルとなっています。
さくら学院のCDジャケットにも青山さんが撮影したものがあります。声優の花澤香菜さんたSCANDAL、真空ホロウなどのCDジャケット撮影も手がけ、さらに長沢樹さんや吾妻ひでおさん、綿矢りささんなどの書籍の装丁にも関わっていて、「スクールガール・コンプレックス」に通じる何とも言えないエロさを引き出すのも青山裕企さんの魅力ではないでしょうか。
広告写真の分野にも様々な作品があります。
例えば第36回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞記念ポスター「Hello! New Cinema Face」も青山裕企さんの作品です。
auや野村不動産、本厚木ミロードなどの広告写真にも青山裕企さんが撮影したものが存在します。
青山裕企さんは「ソラリーマン」や「スクールガール・コンプレックス」など独自の作品を発表するだけでなくアイドルの写真集やCDジャケット、企業の広告写真など幅広い分野で活躍しています。
青山裕企さんまとめ
独自の切り口で人気の作品をどんどんと制作もしながら、広告媒体など多くのことにも精力的に活動される青山裕企さん。
カメラマンとして、写真家だけに傾倒せずに自分の表現したいものと仕事の両立をうまくされているうろカメラマンのように感じます。
こうやって「これが自分の作品」って見ただけでわかるような、切り口が持てるのってすごいって思えるカメラマン青山裕企さんでした。