土門拳の賞や記念館に愛用カメラまでWikiでは知り得ないプロフィールを知り尽くす

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土門拳サムネ

写真を志す方なら誰しも聞いたことのある「土門拳賞」

その冠にもなっている日本を代表する写真家の土門拳さんとはどのような方だったのでしょう。

Wikiを見ればおおよそのことは分かります。

ただもっと深く知りたい。

どんなカメラを愛用していたのか?

どんな半生を送られて「土門拳賞」「土門拳記念館」のような彼を功績と偉業を讃えて設立されたのか?

そんなさらに踏み込んだ内容にスポットを当てて土門拳さんを知り尽くしていきたいと思います。

日本代表する写真家 土門拳とは

土門拳

出典:Wikipedia

土門 拳(どもん けん) 1909年10月25日ー1990年9月15日 享年80歳 山形県酒田市出身

神奈川県立第二中学校卒ー宮内幸太郎写真場の内弟子ー日本工房入社ー報道写真開始ー青年報道写真研究会を結成ー日本工房退社ー古寺写真開始ー集団フォト顧問就任ー日本リアリズム写真集団の顧問就任ー勲四等旭日小綬章受章

土門拳さんは1909年生まれの日本を代表するフォトグラファーです。

1990年にはお亡くなりになっているので、明治から昭和の時代を駆け抜けた栄えあるカメラマン。

ものすごいキャリアの持ち主ですが、庶民的なところもあり最終学歴は神奈川県立第二中学校。そう今で言うところの中卒カメラマンさんなのです。

土いじりが大好きな無邪気な少年

小さい頃は親の事情で色々な小学校を転々としていた土門拳さん。

小さな頃から土を掘るのが大好きで、暇さえあれば考古学の勉強をしていたそうです。

農民運動

そんな土門拳さんに転機が訪れたのは中学を卒業したあと。とある施設の用務員として働いていた土門拳さんは、とある農民運動に参加して警察につかまってしまいます。

このときたまたま預けられた親せきの家がカメラマンの家。

衣食住を親せきのカメラマンと共にするようになった土門拳さんは、知らず知らずのうちに「カメラの魅力」に取りつかれていくようになります。

たまたま応募した「アサヒカメラ」という雑誌で自身の作品がヒットを飛ばし一躍ときの人に。ココからカメラ道が花々しく開いていきます。

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お寺や仏像の写真を撮りまくった一流カメラマン

仏像

カメラマンデビューをした土門拳さんは、その後国宝級のメガ仏像や歴史あるお寺の建築スタイルを次々とファインダーに収めていきます。

仏像の写真は簡単そうに見えるものの、光と影の調整がむずかしい「プロ泣かせの逸材」と言われています。

土門拳さんの作品には、そうした光と影のカップリングが上手く表現されています。

白黒の写真ながら仏像のリアリティさが極限まで引き出されているといった具合。生きていないはずの彫刻が、今にもしゃべりそうな…そんなダイナミックさを伝えてくれています。

書道家・小説家としての顔も

土門拳の書道

土門拳さんは仏像カメラマンとして成功を収めただけではなく「書道家」「小説家」としても成功の一途をたどっています。

中でも筆に対する思い入れはひと一倍で「この人と作品を作りたい」と思ったら、自分の家のふすまにその人の名前を筆で刻んでしまうほどの気合の入れよう。

ひとつの作品や仕事をする仲間に対する並々ならぬ愛情が伝わるエピソードです。

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土門拳さんの使用カメラ

カメラを趣味にしている人なら一度はチェックしてみたいのが巨匠 土門拳さんの愛用カメラです。

一体どのようなカメラで腕を磨いてきたのでしょうか。

Nikon SP

山形県酒田市には土門拳さんの作品を収めた美術館があります。

石畳のおごそかな建物は湖があったり芝生があったり美しい石の回廊があったり、まるでパリのプチホテルのような雰囲気になっています。

リゾート風の建物の中に収められているのが土門拳さん愛用のカメラ「Nikon SP」

実際に使われていたタイプのもので、手垢がしみ込んだような色あせた風合いがたまらなくオシャレです。

まるでオモチャみたい小さな一眼レフカメラ

カメラと言えば「Nikon SP」そう答える人も多いのが「Nikon SP」カメラです。

クランク式の巻き戻しを採用していて露出はなし。日本の職人芸をぎゅっと詰め込んだ、クラシカルなカメラになっています。

nikon-sp-焦点合わせ

カメラの上部には「焦点あわせ」の機能が付いていて、小窓を覗きながらリングをクルクルと回すとぼやけたピントを詳細に合わせることができる優れもの。

大きな広角レンズが付いているので、仏像などのデリケートな被写体の様子をばっちり落とし込むことも簡単にできます。

もうひとつの愛用カメラはLEICA M3

土門拳さんがNikonと同じくらい愛していたのが「LEICA M3」というカメラです。

Nikonがライバル視していたくらい当時ブームだった「LEICA M3」

土門拳さんが雑誌の原稿料として編集者から20万円をもらい、大金をはたいて購入したのがこちらのカメラです。

フィルムカメラ好きの中では断トツ人気の「LEICA M3」

金属のぱりっとした感じがとてもクールで、持っているとイッパシのカメラマンを気取ることもできます。

光を上手に切り取れる魔法のカメラ

「Nikon SP」にも言えることですが「LEICA M3」「光を集めること」がとても得意なカメラです。

土門拳さんは暗やみに浮かぶ竹林のフォト、文楽人形のフォト、広島の原爆ドームの写真、塗りがキレイな陶芸作品など、色々な作品を後世に残しています。

どの作品も「光と影が美しく切り取られている」繊細な写真ばかり。

眼で見た風景よりも2倍も3倍も美しく品がある…と感じてしまうのが、土門拳さんの作品です。

このように「究極のリアリズム」を再現できるカメラは「LEICA」「Nikon」くらい。どうして土門拳さんが、「LEICA」「Nikon」をメイン機材として選んだのか、その答えが何となくわかるような気がします。


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土門拳賞とは

土門拳さんをもっと知りたいと思ったとき気になるのが「土門拳賞」という賞についてです。いったいどのような賞なのでしょうか。

毎日新聞プロデュースの日本三大写真賞の1つ

土門拳賞

土門拳賞とは1981年に土門拳さんの功績をたたえて設立されたカメラの賞です。

かの有名な木村伊兵衛さんの賞「木村伊兵衛写真賞」「小説界の芥川賞」といわれるのに対して「土門拳賞」「小説界の直木賞」といわれるくらい甲乙つけがたいモノになっています。

どっちか獲れるだけでも、かなり凄いハイレベルな賞です。

プロアマどちらも参加OK

「土門拳賞」の良いところはプロアマどちらの人でもエントリーが出来るということ。

その年に何らかの形でオモテ舞台に出てきた作品が対象となっています。

最近ではあの「Nikon」もスポンサーとして参加しているため認知度はますます上がっています。

鈴木龍一郎

鈴木龍一郎さんを始め写真界の大御所さんたちが厳しく審査をおこなうので、受賞したあかつきには「ひと言で言い表せない嬉しさ」を感じるそうです。

賞品はどんなモノがもらえる?

こうした大きな賞には、すごい賞金が付いているのが一般的です。

「土門拳賞」の場合、1位に輝くとトロフィーのような像がもらえます。2位になると30万円の賞金が手渡されます。

ちなみに直木賞で貰えるものは、1位が時計、2位が賞金100万円となっています。

ホンモノの直木賞と比べてやや格が落ちるような気がしないでもない写真界の直木賞ですが「賞金の中身よりも名誉の方がうれしい」…それが写真家たちの本音かもしれません。

歴代の受賞者たちは、どんな人たち?

土門拳賞を受賞した人たちには、こんな人たちがいます。名前を見ているだけで生唾が出てくるくらい、すごい人たちですね。

西川孟
宮崎学
内山英明
本橋成一
坂田栄一郎
潮田登久子

時代の流れを切り取った報道系カメラが多い

生きている頃には被災地・広島を訪れて、原爆の悲惨さを伝えていたりもした土門拳さん。

報道カメラマンの一面もあったため土門拳賞をゲットした写真の多くが「何かを伝えるもの」が多くなっています。

梁丞佑

最近では梁丞佑(ヤンスンウー)さんというカメラマンが土門拳賞を受賞していますが、この人の作品のメインテーマは「現代人の心の闇」

現代人の心の闇

受賞した作品には新宿の歌舞伎町でうつらうつらする路上生活者や、ゴミをあさるカラスなど「都会の片隅のワンシーン」が如実に切り取られています。

知っているはずの大都会TOKYOの別の一面をのぞき見してしまった何ともいえぬ虚脱感。

「報道カメラマンたちの究極のメッセージ」が搭載されているのが土門拳賞の写真なのです。

日本最初の写真専門の美術館「土門記念館」

土門拳記念館

1974年に山形県酒田市初の名誉市民を授与された土門拳さんが、酒田市に全作品を寄付したことから、当時の市長が土門拳さんの郷土愛の深さを知って設立された写真専門の美術館です。

土門拳さんが所有されていた作品の数は約7万点にものぼり、美術館には収蔵されています。

自身の魂の作品の全てを寄付した土門拳さんもすごいですが、「収蔵庫はそんなに立派にしなくてもいいよ」と言った土門拳さんに対して、その価値や酒田市への想いを汲み取って、ここまで立派な記念館を設立した市長もすごいです。

土門拳記念館の設立には全国からの寄付も募っていますが、集まった総額が1億以上にもなったことからも土門拳さんの作品をいかに大切に想う人が多いかが分かります。

特別展で一般が800円の学生が400円、その他の期間は一般430円に学生210円と所有・展示されている量に対してリーズナブルなことも、より多くの方が気軽に来館できるようにといった想いからでしょう。

山形はなかなか遠い場所ですが、山形に行く機会があれば是非行きたい場所の1つです。

昭和時代を牽引したリアリズム写真家 土門拳

モノクロ写真

日本の著名人のポートレートや寺院、仏像の写真から報道写真までリアリズムが追求された作品が見るものの心を掴む土門拳さんの写真。

モノクロ写真で、昭和のカメラは今のデジカメとは機能的には劣るはずなのに「静と動」どちらの写真にも臨場感が溢れています。

真似してできるものではないですが「いかに被写体を捉えるか」

常に考え続けた先に少しだけわかる日が来るのかもしれません。

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