デジタル全盛の今もなおフィルムカメラをメイン機として作品を残している、ありふれた日常を切り取っただけなのに妙に心に残り、どこか懐かしく温かく、ときめきが感じられる写真を撮る写真家、川島小鳥さん。
被写体の魅力をそのまま捉えるため、一緒に過ごしながらシャッターチャンスを気長に待ち、自然な感じで撮るというスタンスをとっている。
今回はそんな川島小鳥さんの使用するカメラや作品からプロフィールまで掘り下げていきたいと思います。
この記事の目次
写真家 川島小鳥とは(プロフィール)
川島 小鳥(かわしま ことり) 1980年ー38歳
早稲田大学第一文学部仏文科。卒業後、沼田元氣氏に師事
第42回講談社出版文化賞写真賞、第40回木村伊兵衛写真賞を受賞。
2006年、ひとりの少女を4年間撮り続けた作品で第10回新風舎平間至写真賞大賞受賞。
2007年写真集『BABYBABY』 を発売。
2010年『未来ちゃん』で第42回講談社出版文化賞写真賞を受賞。
写真を撮り始めたのは高校二年の時。
映画好きで毎日映画館に行ったりビデオ借りたりして観ていた。大学に入ったら映画のサークルに入ろうと思い、映画を撮る練習のつもりで写真を撮り始めたことがきっかけ。そのころは映画監督になりたかったそうです。
始めに手にしたのは家にあった35mmのスナップショットカメラ。
その後、大学に入ってからはアナログの一眼レフカメラを使い始め、高校時代は周りの友達とか、風景とか、いいなと思ったものは何でも撮っていました。
大学では映画サークルに入ろうと思っていたが、サークルに入ると決める前に実験的に友達と映画を撮ろうとなった時に、自分は集団行動には向いていないということに気づき、そこで方向転換し一人で動ける写真にのめり込んでいった。
就職活動は全然しておらず見かねた友達から「写真スタジオっていうところがあるから受けてみたら」と紹介され、受けてみたら採用され1年半ほど勤めることに。
そこでは機材を運ぶなどプロのカメラマンをフォローする業務に携わり、その後お金がなくなって街の写真屋でアルバイトを始められています。
アルバイト先が暇な時にお店のプリンターを借り、大学時代に1番撮影していた子の写真を全部時系列に並べてカラーコピーして本にして、その子に「ありがとう」とプレゼント。
そしてもう一冊同じものを作って新風舎平間至写真賞という賞に応募したところ、第10回の大賞を受賞。
それがその後写真集『BABY BABY』として出版されることになりました。
現在は自身の作品展を各地で開催しながら、人物カメラマンとして雑誌や広告、CDジャケットの仕事などに精力的に取り組んでおられます。
川島小鳥の使用カメラ・レンズは
川島小鳥さんは基本的にフィルムカメラをメイン機として作品を残している写真家さんです。
始めにカメラを手にしたのは家にあった35mmのスナップショットカメラであり、その後、大学に入ってからはアナログの一眼レフカメラを使い始められています。
これまでカメラやフィルムはいろいろなものを使用してきたそうですが、どこの会社のフィルムがどんな感じかとかが分からなかったため全部実験的に使用してきたという。
愛用カメラはNikon F6
そんな川島さんが現在メインカメラとして使用しているのは、フィルムカメラの最高峰と呼ばれるカメラ「Nikon F6」です。
最高峰のフィルム一眼レフカメラとして2004年に発売されたフラッグシップモデル。
品質の高さやボディの頑丈さ、耐久力に優れた精密シャッターユニットが魅力のカメラ。自分の手で設定をして写真を撮る喜びを味わえて、独特のシャッター音も根強いファンに評価されていmasu.
操作性がよく11点のエリアをフルに活用してシングル、ダイナミック、グループなどが選択できるAFエリアモードを使えば動きの速い被写体も素早く捕えることができ、高精度測光システムも優れているので、薄暗い室内やレストラン、カフェ、工場などでも撮影までできてしまいます。
購入理由が川島小鳥さんが使用しているからという人も数多くいる。
愛用フィルム pro400h
さまざまな光源下での忠実な色再現を実現し優れた粒状性でハイライトからシャドーまで滑らかな表現。感度ISO400で、幅広い撮影シーンに使える。
愛用レンズ Aiレンズ Nikon 35 F1.4S
現在の広角レンズ群の中では最も明るいF1.4レンズ。開放絞りでもコントラストの良い、シャープな像を結ぶことができます。
レンズ表面のコーティングによってゴースト、フレアーが少なくコントラストの良い画像が得られ、風景写真はもとより比較的暗い室内での撮影、建築写真、スナップ、遠近感誇張を目的とした撮影、旅行中の記録写真などに最適な用途の広いレンズです。
『未来ちゃん』の写真は全てこれらで撮影されています。
絶対に大好きなフィルムで撮ろうと思って、プリントも全部自分で焼いたものだそうです。
「pro400h」を選んだのは、とにかく日本のフィルムで撮ろうという思いがあったとのこと。
感度も最も一般的な、普通の400。普通が一番いいなと思い選択したそうです。
仕事で指定される時はデジタルカメラも使っていルようですが、質感は圧倒的にフィルムの方を好んでおり普段遣いはもっぱらフィルムカメラオンリーだそうです。
川島小鳥さんの近況など知ることのできるSNS
公式HP
http://www.kawashimakotori.com/
公式HP・twitterともに必要な情報以外はまり記載されておらずシンプルな感じですが、写真展やトークイベントの情報も更新されているので気になる方はマメにチェックした方が良いかも!
川島小鳥さんの過去のインタビュー記事
その記事も内容濃いめ。
やっぱりみなさん川島小鳥さんを注目していて色々つっこんだインタビューになっています。
私のこの記事が読み終わったら次はこちらも読んで見てはいかがでしょうか?
川島小鳥さん関連情報
やっぱり川島小鳥さんの影響で「NIkon F6」に興味を持つ人が多いようで、ついつい気になる記事も発見!
これを読むとさらに「NIkon F6」が欲しくなってしまうかもしれませんが、構いませんか(笑)
川島小鳥さんの写真集や作品の紹介
写真集に『BABY BABY』(2007)、『未来ちゃん』(2011)、『明星』(2014)、谷川俊太郎との共著『おやすみ神たち』(2014)、『ファーストアルバム』(2016)、台南ガイドブック『愛の台南』(2017)があります。
BABY BABY (2006)
プロフィールでも紹介した川島小鳥さんのデビュー作にして、新風舎平間至写真賞の大賞を受賞した作品。
一人の少女を4年間撮り続けた彼の原点にして、カメラマンと少女の微妙な距離感が感じられる、甘酸っぱかったり切なかったり微笑ましかったり、、、
ノスタルジックに浸り、大事なその人の時間を垣間見るような貴重な体験ができる写真としての魅力が詰まった作品になっています。
未来ちゃん(2011)
佐渡島に住む女の子の一年を追った写真集『未来ちゃん』
この女の子は佐渡島の田舎に住んでいる友人の娘さんだそうで、時々勘違いしている人もいますが、この女の子の名前は「未来」ではなく、川島さんが「未来ちゃん」というコンセプトで制作したものです。
茅葺屋根でポットン便所の家に居候して撮影された。1年間を行ったり来たりし、1週間泊まったり2週間泊まったりを繰り返したという。
一緒に寝たり、ご飯食べたりして、一緒に暮らしていたという感じで撮影されたもの。
出版社はナナロク社という当時はまだ会社を立ち上げて2~3年目で社員の数はたった2人の名もない小さな出版社を選んだ。
2011年の発売と同時に多くの人が「未来ちゃん」の圧倒的な生命力に魅せられ、瞬く間に約11万部のヒット!
これにより一躍世間から注目を浴びるようになった出世作です。
『未来ちゃん』は海外でも売れており3万部は日本で作って海外に輸出されています。
明星(2014)
写真集としては異例の11万部も売れた『未来ちゃん』から3年後に出版したのは『明星』というタイトルの写真集。
クスッと笑えたり、じっと目が離せなくなったり、どこかノスタルジーを感じたり、見ていて楽しい写真集です。
2011年6月から2014年6月までの3年間で30回も台湾に通って撮った作品。
中国語が話せなかったため、途中、語学学校への3か月の留学もはさんでいます。
台湾には行ったことがなかったのになぜか、『未来ちゃん』を撮り終わる直前に急に行きたくなっていたところ偶然『未来ちゃん』の写真を展示しないかと台湾に呼んでくれた人がいたそう。
行ってみると人が優しくて距離が近くて、すごくいい場所だと感じ写真集を作ることに決められたそうです。
『うる星やつら』のような、主人公以外にも濃いキャラがたくさん登場し、1話完結としても読め、通しのストーリーでも楽しい、そういう本にしたいと思って作られたものだとか。
合計7万枚くらいのなかから200枚強の写真をセレクト。
川島小鳥さんまとめ
川島小鳥さんの作品を見ているとフィルカメラも良いなーなんて思ってしまうから影響力ってものは本当に怖いものです。
まぁ今の時代のカメラに慣れてしまっていると余計にフィルムカメラは慣れるのに難しそうですが。。
でもフィルムカメラで今しか撮れない一瞬を切り取り続けている川島小鳥さん。それはただ単にフィルムカメラの風合いが好きなだけではなくて、今しか撮れないその一瞬をしっかり自分の感覚で撮る為にもフィルムカメラでなくてはならないような気がします。
そんな訳で私も撮影する時はなんとなくで撮らず、一撮入魂の気持ちで一枚一枚をもっと大切に撮っていきたいなんて思ったり。
みなさんはいかがですか?
作品に触れたらそんな気持ちに同じように思うかも知れません。機会があれば是非!