一眼フォトのサイト運営をしているTAKAYAと申します。2019年の春頃に起業して現在は写真・デザインなどを仕事にしています。
デザインは前職からですが、写真は趣味で2年くらいのもので仕事としての経験はなかったのですが、今では写真でもお仕事をいただいて料理撮影や雑誌の取材撮影、同窓会などの撮影まで幅広くしています。
そんな起業してそこまで経っていないのに写真のおかげで、今まで会社員時代には忙しくて時間に追われていた生活から、ゆとりある生活になってきました。
撮影帰りにゆったりカフェで写真をチェックしたり、リラックスしながら仕事してみたり
友達の事務所に行って邪魔したり犬と遊んで見たり
今まで座って仕事ばかりしていたのでガタがきた体を施術してもらったり、プログラムを組んでエクササイズしたりと、仕事でいっぱいいっぱいだった日々から解放されて自由に暮らせています。
今まで「会社でどう働いたら良くなるか」ばかりを考えて思い悩んでいたのが何だったのかと思うほどに「自分自身で動いて」みたら、あっと言う間に道が開けてきたように思います。
正直僕はブッチギリの撮影技術があるわけでも、高いカメラ機材一式を持っているわけでも有りません。それでもリピートして撮影の依頼はいただけています。
なのでカメラを仕事にすることに写真歴が長いとか、カメラやレンズの知識が豊富に必要とかは全然必要ないと思います。
インスタグラムのように、いかに「自分の写真の凄さや魅力」を全面に押し出した写真もいいかもしれませんが、どうしても趣味の域から出にくいように感じます。
でも逆に、人に必要とされる写真が撮れるようになれば、案外簡単に仕事に結び付けられたりします。
じゃあどうやったら人に必要とされる写真が撮れるの?って話ですが、それは僕の今までの経験したきたことにヒントがあって、最近になってようやく気づいたのでお話していきたいと思います。
イライラばかりで自由もお金も満足感もない会社時代
起業するまでは飲食店やホテルを運営する会社で広報・デザインマネージャーとして雇われの身で仕事をしていました。
元々は上司がいたのですが、上司がしょうもない理由で社長と喧嘩して辞めてしまったので、繰り上がって僕が単純にマネージャーになっただけです。
しかもその当時、上司含めて3人で回していたのに(そもそも3人でもおかしいのに)2人になってしまい僕自身そこまでの技量がなかったにも関わらず上の立場になってしまったので、午前3時まで仕事をしているなんて事もザラにありました。
1年を過ぎた頃、ようやくスタッフが増えて自分の技量も少なからず上がったので、深夜まで仕事をするようなことは無くなったのですが、やっと周りが見えてきて気づき始めました。
「お客さんに魅力や想いを伝えることができない」
現場から上がってきた声で「こんな企画をしたいからチラシを作って欲しい」「もっとここをアピールしたポスターが欲しい」店長や課長のお店の良さをアピールしたい気持ちの詰まったアイデアを元に制作しても「社長の鶴の一声」で格好良さにばかり囚われた、何が言いたいのかよく分からないものに仕上がってしまう始末。
多少ダサくなろうとも、よりお客さんに魅力が伝わりやすいものを過去の売上から伸びたものをベースに作っているのに「ここが格好良くない」って、そんなの分かっててやってるわい!と思いつつも、僕も店長も逆らえないので「はい」と言って終わる。
やり甲斐はどんどん削がれていき、そのクセ売上が落ちると「なぜ落ちてる!!」ってそりゃテメェーのせいだろと。
しかもハガキとか大量に送る販促物のデザインがほとんど完成していて後は入稿するだけ!って状態から急に「デザインの変更」を求めてきたりして(しかも現場サイドが知らないから、なぜか僕が謝るはめに)、余裕を持って仕事をしていたのに結局ギリギリになってみんなテンテコ舞い。
そんなアホみたいな仕事のやり方をしているから当然のごとく、休みを全然取れないし給料も上がらない。
そのクセどうでもいい仕事は山のようにある状態。
そんな時に限って部下にこう言われるわけです。
部下
部下の言ってることは正しいし、そうしたいのは山々だけど
TAKAYA
てなことを言ってしまったのです。
部下
と部下に食ってかかられて、それなら自分で押し通すのかと思えば
部下
なんてことを抜かすもんだからキレてしまいました。
TAKAYA
そんな板挟みでどんどん心は疲弊していきました。
唯一の幸運は撮影現場に立ち会えたこと
うんざりするような仕事ばかりで心が腐るばかりの僕でしたが、唯一の幸運は店舗の広報物をすべて自社で作っていたのですが、写真の撮影も自社で行っていることでした。
撮影スタジオ級ではないものの一室を貸し切って行われる料理撮影は、専属カメラマンがいて多くのライティングを駆使して撮影します。ライティングを使った本格的な撮影は見たことがなかったので、光を駆使した陰影のついた雰囲気のある写真には感動を覚えました。
そのうちにどうせ自分が作るメニューやポスターなんだからと撮影の構図なども依頼するようになるのですが、だんだん慣れるに従って趣味でスナップしか撮影していなかった自分にもライティングの知識がついてきました。
そうして自分が何か撮影する時にもライティングを少しずつ使うようになってきたのですが、ある感情を抱き始めました。
それは撮影って「手間がかかる」しカメラマンは「格好いい」ものしか撮れない。
普段自分でライティングを使って撮影する時でも多少手間だなと思うことはありますが、そんなに機材も持ってないし必要最低限のライティングしかしないのですが、会社での撮影ってライトを何灯も使うんですよね。
ライティングのせいで準備には時間がかかるし何灯も使うから場所が限定される。しかもカメラマンはその用途でしか使えないような格好ばかりきにした構図で撮影するんですよ。
「プロ」と言えば聞こえはいいですけど、正直めんどくさいし使い勝手が悪い。
また結局、お店の伝えたいことを表現する撮影ではなく、いかに格好良く見えるかだけのしょーもない写真に思えてしまったのです。
この会社にいてはどこまで行っても「社長が気持ち良くなりたいだけの自○行為の手伝いをしてるだけ」なんだと思うと無性に腹が立ってきました。
会社を辞めると決めた出来事
仕事柄、各飲食店の店長とは頻繁に話をするのですが、その中でも熱い想いを持ったU店長と言う方がいました。
デザインや写真にも多くのリクエストをするU店長ですが、どう見せた方がお客さんに伝わるのか常に考えている方で、U店長がこまめにデータを取りながらそのロジックに沿って僕にリクエストしていたので、売れるメニューの作り方なども分かるようになりました。
実際お店の売上も右肩上がりで、このU店長がいるからと言っても過言ではないのですが、格好良さを求めているわけではないので、業績が良いにも関わらず社長からはあまり良く思われていないように感じていました。
そしてある日U店長に言われました。
「実は他の会社からヘッドハンティングされてる、でも今のこのお店は好きだし正直迷ってる」と。
正直U店長と仕事ができなくなるのは嫌でしたが、もうこの会社のオナ○ーには付き合ってられないと思う自分もいたので「U店長が決めたことなら僕はどちらでも応援します!」と言いました。
まぁ普通に考えたら、この有能なU店長を引き止められないなら「この会社に未来はないな」と思っていましたし、そこまでアホなことはしないだろうと考えていました。
ですが無能な上層部は数回の話し合いで諦めて退社が決まってしまい、挙句の果てには社長にU店長が最後の挨拶に行った時には
「で?」とだけでの返答で
何をしにきたんだ?みたいな対応で終わったのです。
そんな話をあとでU店長から聞かされた時には流石に、怒りを通り越して泣けてきました。
こんなにお店とお客さんのことを考えていた人の最後が、こんなにも不遇を受けてもいいのかと。
いつかは辞めて独立しようとは考えていましたが
「今なんだろうな」
そう決意をしました。
独立してからのある転機
もうこの会社にいる意味がまったく見出せなくなったので、その後は早かったです。多少のデザインでの仕事をもらえるあてはあったので、口に糊するような生活になっても今よりかは幾分マシだと信じて退職届を出しました。
何度かの引き止めはあったものの話す内容には1ミリも心を動かされなかったので、U店長の退職から2ヶ月後に僕も同じく会社を辞めました。
辞めてそのまま「デザインやってます」だけで信用も得られないだろうから、起業することにしました。幸い仕事に必要なものはPCとソフトさえあればどこででも出来る業種なので、すぐに企業申請は通って一応会社の代表になりました(一人だけど)
あてのあるところには連絡して、仕事があれば回して欲しいと伝えましたが正直不安ばかり。
「ヤバイな、、、自由だけど自由すぎてどうするのが正しいのか分からない」
そんなことを思っていたある日、髪をカットしてもらいにいつも行く美容室でのオーナーさんとの会話で
オーナー
TAKAYA
と言ったら
オーナー
と、たまたま色んな経営者が集まって企画してるイベントプロジェクトを一緒にしないかと誘いを受けたのです。
まだ微々たる収入しかなかったので、減るものでもないし「やってみたいです」と誘いに乗ってみて、他の経営者のメンバーに会ってみたのですが、そこには地元では結構有名な飲食店の経営者の方もいたりしました。
その時ふと思ったんです。
と。
僕の以前いた会社は専属カメラマンがいたからまだしも、普通の会社であればお金のかかる割に制限のかかるプロカメラマンに頼むのは億劫なんじゃないか。
そもそもプロカメラマンに依頼したのに写真自体に価値を見出してる人より、お店が求める写真に寄り添えるカメラマンの方が必要なんじゃないか。
そう思ったのです。
じゃあ僕はそれが出来る人間なのかと問われると、実はたまたま出来る方法を持ち合わせていたんです。
それは「レタッチや写真の加工技術」で、前会社の時にデザインだけでなくそれらの技術も磨いていたのです。
前の会社で専属カメラマンが撮った使いづらい構図を修正したり、お店の雰囲気に合うように実は結構レタッチで店ごとに調整をしていました。
その時は小さな反抗でしたが、ずっと続けているうちに
「正直あんな沢山のライティングがなくても近いものならレタッチを駆使したら自分でも撮影出来るな」
そう思っていたので、もしかしたら需要があるかもと思い料理のポートフォリオを作ってみました。
あえてライトは1灯しか使わず必要最低限の機材で、近くのパン屋で購入したパンを撮影しました。ここからレタッチも駆使して魅力的な写真になれば、どんな場所に行ってもこのクオリティーの写真は維持出来るからです。
「僕なら簡単に呼べて、お店の想いに沿った写真を気軽に頼める。」
そう考えて撮ったポートフォリオを、先ほどのイベントプロジェクトのメンバーの飲食店経営者さんに見せてみました。
すると想像していた以上にあっさりと
「今度の季節メニューの撮影を頼みたい」と言ってもらえたのです。
どうやら以前にプロカメラマンに依頼したことがあったそうで、大層な荷物を抱えて手間をかけて撮影したのに「それなりの写真」しかなかったので、お金をかけた割には微妙だったそうなのです。
この「それなりの写真」には理由があって、HP用にって撮影したらそれでしか使えない構図ばかりで、ポスターとか他には使えないとか、そういった理由もあります。
TAKAYA
そういった考えをポートフォリオを見せた時に伝えたことも、すんなり頼みたいと思ってもらえたきっかけかもしれません。
もちろんそのためにどういった金額形態やデータの渡し方が良いかも考えましたが、それはまたいつかと言うことで。
そんな風に依頼をもらえたら今度はメニューのデザインも依頼され、そこからまた他の方も紹介していただけて、デザイン→写真や写真→デザインの相乗効果もあって、仕事がどんどん増えていきました。
もちろんこれは一つのきっかけで、同じような輪がいくつか広がって仕事が増えていっています。
実は写真は誰でも出来る仕事かも
そうして今では仕事に困らなくなり有意義に過ごせるようになったわけです。
ただ今後もっと自由に生きるために、アイデアをひねり出すデザインよりも写真の方をさらに伸ばそうと思っています。
写真の方が楽って言い方は語弊がありますが、漠然としたイメージで依頼される場合のあるデザインよりも、お客さんの求めるものが具体的に分かりやすい写真の方が、お客さんに寄り添ったものを作りやすいのは事実です。
正直、僕の写真だけの技術はそこまでですが、レタッチでお客さんの求める雰囲気には後からでも自由に表現できるし、昔に思い悩んだ「想いを伝えるためにどうしたいか」も分かっているので、想いに寄り添った写真の提供ができるのが強みです。
またそういった考えで写真撮影をしているので「嫌なお客さん」もいません。
変なプライドで自分の作品だなんて思ってないし、ましてや写真を変に上にも下にもみてません。
お客さんにとって写真はあくまで「思いを伝えるツール」
その思いが一緒で伝わっているから、気持ちの良い仕事ができている気がします。
私は写真で有名になってやろう!なんて気持ちはほとんどないのですが、もしもっと簡単に写真の依頼をできる人が増えたら「誰もが自分の良さや思いを正しく伝えられる世界」になって、もっと良いお店や会社に巡り会うことができるじゃないかなーと考えています。
どうせ僕と同じタイプの人が増えたとしても、同じ地域に何人もいない限りは競合しないですし。
だから今後はそういった写真を仕事にするコンテンツも増やしていきたいと思っています。実際に仕事で撮影して「ありがとう!」と喜んでいただいてお金が貰えるなんて幸せじゃないですか。僕もこれからさらに写真の仕事は増やしていきますが、同じ方法を身につけたら割と誰でも出来る仕事だとも思っています。
趣味の写真を副業で稼ぐなんてのも良いかもしれませんし、案外本職よりも収入が逆転するなんて日がくるかもしれませんよ!