レタッチにLuminar4がカンタンで便利すぎる!トライアル試してみてはいかが?

カメラの絞り(F値)の魅力はボケだけではない!シャープさも意識してみよう

ボケとシャープ

シャッター速度優先や絞り優先モードでの撮影、特に絞り優先モードでの撮影を行っているとボケ具合が簡単に変えられるので、今まででは味わえないほどのキレイで大きなボケ味が堪能できるので、どうしてもF値を開放(小さい数値)にしがちになってくるのではないでしょうか?

ですがボケ味の効いた写真はキレイではあるものの、いつもそれだと単調になってしまいます。

また開放ばかりに慣れてしまうと、シャープさのいる写真が撮りたいときにどうすれば良いか分からなくなってしまったりも。。

 

写真を仕事にする場合、美しいボケの効いた写真よりシャープさのある写真の方が案外必要になったりします。

ですから今回は絞りのことをもう少し深掘りし、シャープな写真の必要性にも触れていきます。

なんでもかんでも開放で撮影するだけじゃない

花_開放

シャッタースピード:1/100 F:2.8 ISO:100

花_シャープ

シャッタースピード:1/100 F:13 ISO:1600

こういった花などを撮影するときに、被写体以外がボケている方が主役が強調されてキレイだと思います。

ですがボケればボケるほど被写体のみにスポットが当たるので、説明的ではなくなっていきます。

200108_写真を買う人は誰か写真を買う人は誰か?カメラを仕事にするための顧客・ターゲットとは

説明的というのは「どこで・どんなシチュエーション・どんなイメージ」かということなのですが、マインドセット編でもお話したように、写真は「伝える」ために必要なツールですから、見た人がシーンをイメージ出来無ければいけません。

ピッコロボスコシエスタ_店内撮影

シャッタースピード:1/250 F:8 ISO:100 ライティングあり

店内の撮影などであれば、イメージカットでない限りはくっきりと全体が見える方が分かりやすく、説明的な方が良かったりしますし

料理写真_俯瞰

シャッタースピード:1/100 F:16 ISO:250 ライティングあり

料理撮影などでも全体を撮影するときは、四隅まではっきり撮影できている方がキレイです。

参考 ピッコロボスコ シエスタ

今回の写真はピッコロボスコ シエスタというイタリア料理のお店で撮影した写真ですが、どういった場所でどんなシーンでどんな料理が食べられるのかをしっかり伝えるため、シャープめの写真になっています。

媒体に落とし込むどこに写真を落とし込むか逆算して考える撮影がキモになる

「どこに写真を落とし込むか逆算して考える撮影」を意識すると「ここはボケを使った方が良い」「ここはシャープな方がより伝わる」と何となく撮影して良い写真ではなく、最初にイメージしたものを撮影する能力が養われていきますので、開放の撮影に慣れたら今度は意識してF値を絞ったシャープな写真の撮影も行ってみてください。

絞り値(F値)の基本

絞り

ここで絞りのおさらいと、もう少し深掘りもしていきます。

F値が大きくなればなるほどレンズ内の絞り羽は閉じていき、レンズを通る光は少なくなります。

基本の絞り値はF1.0,1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16、22とちょっと特殊な数字で増えていき、この数値のステップを1段と言います。

これはF値が絞りの半径を元にした数値で、絞り値が1段大きくなると絞りの開口部の面積が2倍変化する様に決められていることとからちょっと特殊な数列になります。

一眼カメラの場合は1/3段ごとまで細かく絞りを変化させることができます。

絞りをコントロールすると光芒や玉ボケも変わる

絞りが変わると光源から発生する光の筋、「光芒」も変化します。

F値を大きくすると、光芒の線の数が増えます。

F値と光芒の形の関係がわかれば、夜景写真を見るときに光芒の形からF値を推測することも可能です。

夜景撮影では絞りを使ってシャッタスピードや光芒、ボケ量をコントロールします。

また、夜景に限りませんが、キラキラ光るライトや木漏れ日、水面の反射などからピントを外して撮影すると玉ボケを作ることができます。

玉ボケはF値が大きくなると小さくなってしまうので、F値を5.6以下にすることである程度の大きさで撮影できます。

また、玉ボケの形は絞り羽の形状がそのまま現れるので、絞り羽の枚数がなるべく多く、円形に近い形で絞れるレンズの方が綺麗な玉ボケになります。

明るいレンズでちょっと絞る理由

あかつきカフェ

シャッタースピード:1/100 F:4.5 ISO:1000 ライティングあり

よくレンズのレビューなどを読んでいると「2段くらい絞ることでシャープな描画となる」といった文言をよく目にします。

せっかくF2.8やF1.8などの明るいレンズを買ったのに、なぜ開放ではなく絞ってしまうのでしょう。

これにはちゃんと理由があります。

簡単に言うと、レンズの美味しいところを使うためです。

最近のレンズではかなり低減されていますが、レンズにはどうしても周辺光量落ちと収差という問題がつきまといます。

周辺光量落ちは文字通り、写真の周囲が暗くなってしまう現象で、収差とは被写体の一点から発せられた光が一点に収束しない現象で、色が滲んでしまう色収差や形がゆがむ歪曲収差などがあります。

これはレンズの端を通る光ほど顕著に現れるので、この影響を減らすために少し絞ってレンズの端に近い部分を通る光をカットしてあげるのです。

「開放でも眼を見張る描画」と称されるレンズも増えてきていますが、明るいレンズを持っているなら、少し絞って違いを確かめてみても面白いですね。

絞りすぎると小絞りボケ

風景撮影に限らず、絞り値を大きくしすぎる、絞りすぎても写真のシャープさは失われます。

これは小絞りボケと呼ばれる現象です。

光には波と同じ性質があるので小さな隙間を通過するときに光は回り込むように広がります。

この性質によって必要以上に絞るとピント面でも画像のシャープさが失われてしまいます。

シャープにしたいといっても絞りがF16もあれば十分なので、必要以上に絞ってしまわない注意も必要です。

意図しない撮影はF8〜11の方がいいかも

風景撮影ではなるべく全体をシャープに描くため、絞りをF8など大きくします。

ですがこれは風景写真以外にも言えます。
ピッコロボスコ石窯焼きメニュー

写真を仕事にしたとき、お渡しした写真が色んな用途に使用されることがあります。

メニューに使いたくて切り抜きをして使う場合、細部までシャープさがないと間の抜けたイメージになってしまうことも。

そのためボケ・シャープどちらも撮影しておくほうが、あなたが撮影した写真を使うみんなにとって気の利いたカメラマンになることができます。

F8くらいあればどんな用途にも対応しやすいので、特徴がでにくい中間の絞りも練習しておきましょう!