今回からライティングを実際に使った撮影編です。
と言ってもオフカメラストロボの設定と設置方法を知っていれば誰だってできます。
必ずこの方向からライティングしなければならないなんてことはありません。
どう撮影したいかの事前のイメージによって大きく変わってくるので、本当は好きに撮ればいいんです。
ですが商品によっては、どうしても撮影しにくいものもあります。
そういった商品にスポットを当ててブツ撮りのポイントを解説していきます。
反射の厳しいブツ撮り
【 F8 ISO100 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 1/8】
まずは光の反射が厳しい商品。
ストロボは上からの発光のみで、レフ板を左右に配置して撮影しています。
もしこのときストロボ2灯で横からの発光もすると
このような感じになります。
陰影のつき具合は好みもあるので、絶対に先ほどの方がいいと言うわけではないのですが
この方法で撮影するとストロボのディフューザーが反射して映り込んでしまいます。
こういった映り込みを防ぐために、上からの光を左右のレフ板で全体に光を回して回避しています。
なので違う箇所の陰影を強調したいときは、ストロボの配置だけでなく、そこから映り込んだものを打ち消すレフ板の配置にも気をつけましょう。
ガラス製品のブツ撮り
【 F9 ISO100 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 1/8】
こちらも先ほど同様に上からのストロボだけで撮影しています。
ここでも少し注意点があります。
ガラスだけでできていない今回の商品の場合、そこに映り込みが出てきます。
キャップの部分の反射しているのは光ではなくレフ板なので、位置が悪いと映り込んでる感がでてしまいます。
ガラスをキレイに見せるのは大事ですが、違う素材が混じっているときは、こういった部分にも気をつける必要があります。
細いディテールのある商品
【 F16 ISO100 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 上1/8 横1/4】
細いディテールのある商品、のちに切り抜きして使われるようなアイテムの注意点。
【 F9 ISO100 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 上1/16 横1/8】
絞りをあけて、その分ストロボの発光量を抑えて撮影した場合、明るさは同じくらいでもピントのボケ具合が変わってきます。
ディテールが分かりづらくなり、もし切り抜きした時にも違和感がでますから、細い箇所があるブツ撮りのときは明るさだけでなく、奥のピント具合にも気をつけてF値を絞って撮影しましょう。
ストロボの配置的にはこのような感じです。
好みもあるので配置は参考程度にお考えください。
色が伝わりづらい商品
【 F11 ISO100 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 斜め後ろ1/8 斜め前1/4】
金属感を出しつつ全体に光がくるように斜め前と斜め後ろにストロボを配置。
本当はドームライトのようなアイテムを使ってもっと映り込みを消すつつ、全体に光が回るようにした方が良いと思いますが、いちいちその商品ごとに対応するアイテムを買っているとお金がかかって仕方ないので、簡易的なやり方です。
ストロボの1灯りを上から発光した場合
白とびする部分がでてきてしまうので、このようなライティングの配置にしています。
斜め前と斜め後ろのストロボ発光量を調整しながら、白とびせずに全体に明るくなるように調整してみましょう。
ストロボの照射角について
ここまで説明してきませんでしたが、ストロボには照射角という発光す範囲を変える機能があります。
ストロボでは「ZOOM/Fn」のボタンを押してダイヤルを回すことで変更でき
ラジオスレーブでは「Zm/CH」をチョイ押しすると画面が切り替わり、変えたいストロボのグループを押してダイヤルを回すと変更することが可能です。
ですがソフトボックスやアンブレラにディフューザーをつけて撮影する場合は、ほとんど効果がありません。
ストロボから直で発光するときに大きく効果があるものなので、普段ディフューザーを使ってる分には照射角を24mmのままにしています。
照射角の範囲が広い方が自然な光になりやすいので、念のため24mmということです。
いきなり細かな機能まで使っても思ったような効果は得られませんし、ライティングに慣れた頃に試してみる方が良いと思います。
トライ&エラーを繰り返す
商品撮影自体のライティングにまつわる本はいくつかでていると思います。
ですがまったく同じ環境でない以上、その通りにやっても同じ写真にはならないことの方が多いです。
あとはトライ&エラーで試していく必要があります。
成功より失敗の方が学ぶことが多いです。
ライティングばかりに気を取られていると、写真のようにレンズのカバーの方向を上下逆にして撮影してしまっているなんてミスも。。
試して至らなかった部分をあとで確認していくことが大事です。
いろんな方向や発光量を試して、自分の中で光の具合を腑に落としていきましょう!