硬い光・柔らかい光と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか?
硬い光とは明暗差がはっきりとして影などが濃い写真で、柔らかい光は陰影がゆっくりと変化していく写真を指します。
柔らかい光の方が好まれ硬い光は好まれないことが多いですが、それは一般的な趣味で撮影している人やそれを見る人だったりします。
例えばこういったイメージ写真でも陰影の効いた写真って結構ありますよね。
陰影がはっきりしてる方が印象的になるので、ブツ撮り・料理撮影やポートレートでも割と使っていきます。
でもこれ実はレタッチで陰影をあとでつけた写真で、撮影時にはやんわりとした光で撮影しています。
硬い光で撮影することと、あとで硬い光のようにするのでは大きな違いがあるのです。
影の違い
【左:直接ストロボ発光 右:ディフューザーをつけたストロボ発光】
影に大きな違いがあるのが分かると思います。
左の直接ストロボを当てたはっきりとした影って、普段太陽が燦々と降り注ぐ真下でしかあまりないと思います。
あとでいくらレタッチが出来るからといっても影のニュアンスを変えるのはかなり大変です。
また暗くなりすぎたり光が飛びすぎた部分も修正が難しくなってきます。
逆にある程度柔らかく撮影しておけば、あとから陰影を追加していくのはカンタンなので、ライティング撮影においても極端に陰影のある撮影は、意図がない限りはしない方が無難です。
特に先ほどのコーヒーの写真では、お客さんがどこでどのように使うかが明確でなかったので、使い易くなるように明暗を抑えて撮影しています。
光を柔らかくする
これはディフューザーを使うことで光が柔らかくなります。
オフカメラストロボ機材の設置方法!ライティングを自由自在に「オフカメラストロボ機材の設置方法!ライティングを自由自在に」でも紹介した
ソフトボックスに付属するディフューザーや、アンブレラに被せることで柔らかい光は作れます。
ディフューザーをつけたら陰影が弱すぎるけど、直接ストロボの光は避けたい場合はトレーシングペーパーで光を拡散させるのもおすすめです。
くしゃくしゃにしたり、枚数を重ねることで光のニュアンスや拡散具合をディフューザーより調整出来るので使い勝手が良いです。
レフ板の必要性
レフ板は光を反射させる効果があります。
いくらライティングを柔らかい光で撮影しても、光の位置によってはどうしても暗くなる箇所が出てきてしまいます。
【左:レフ板なし 右:レフ板あり】
レフ板の有り無しでここまで影の具合が違います、
ライティング撮影でブツ撮りや料理撮影の際には、ストロボの配置が左右・斜め後ろのこともよくあります。
ライティングの位置は別途講義でお伝えしますが、こういったストロボ位置からのライティング撮影も多いのでレフ板は重要になってくるのです。
一人なら自作のレフ板の方が使いやすい
市販されているレフ板は持つ前提のものが多く、「レフ板用クランプ/クリップ」をライトスタンドに取り付ければ一人でも使えるには使えるのですが、低い位置や回り込むように光を反射させるのがとても大変になってきます。
そんなときはレフ板を自作してみましょう!
レフ板は別に特殊なものではなく、白ければ光は反射させられるので100均で白のカラーボードを買ってきます。
あとは曲げられるゆとりを持ってテープを留めれば完成です。
ちょっと不恰好に見えるかもしれませんが、堂々と使っていれば問題ありません。
僕は仕事の際に持っていって使っているので大丈夫です!
影は柔らかく、レフ板で光を回す
わざと影を強調したい時以外は、撮影時には柔らかい光にしておきレフ板で必要箇所に光を回すことで、あとからレタッチのしやすい撮影をしましょう。
撮影時に光を作り込んだ方がより良い写真にはなりますが、それはかなりイメージが固まっているときの話。
イメージが固まっていないのに安易にメリハリの効きすぎた写真を撮影してしまうと、あとからの修正が大変&修正不可な時も。
陰影は被写体のポイントだけ押さえたライティングを心がけて、他はある程度フラットな方が良いです。
趣味であれば最初にイメージしたものと変わっても出来が良ければいいかもしれませんが、仕事ではそうはいきません。
偶発的に撮影できた95%の写真より、コンスタントに80%以上の写真を必ず作り出せる方が信頼してもらえます。
奇跡の一枚より、いつでもどこでもイメージを具現化する撮影をするために、影の柔らかさとレフ板で光を回すことを意識しましょう!