撮影編の最後となる今回はポートレート撮影編です。
ポートレート撮影と一口に言っても色んな撮影方法がありますが、こちらではライティングを使った人物を印象的に撮影する方法を解説していきます。
キャッチライトを入れよう
【 F5 ISO1250 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 1/8】
キャッチライトとは、目の瞳のなかの白い輝きのことをいいます。
キャッチライトを入れると生き生きとした表情になるので、人物を魅力的に写すことができます。
キャッチライトがなかった場合、こんな感じでダークな印象になってしまい怖い印象になってしまいます。
小さな部分ですが、あるのと無いのとでは大きな違いになってきます。
このキャッチライトは「ストロボ」や「レフ板」を使うことで入れることができます。
こちらの撮影ではアンブレラにディフューザーをつけて斜め前からストロボを発光して撮影しています。
目に入るキャッチライトは受け取る光の形によって変わるので、ソフトボックスでは四角になりアンブレラでは丸になります。
レフ板も同様で、レフ板の形がそのまま反射する光の形になります。
四角よりも丸の方が自然な感じになるので、アンブレラや丸のレフ板を使う方がおすすめです。
【 F2.8 ISO500 シャッタースピード 160 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 1/4】
あえてダークな印象にしたいときはキャッチライトを入れないようにストロボの発光位置をズラすのもありです。
このあたりは撮影したい雰囲気に合わせて調整してみましょう!
瞳にピントを合わせるのがポイント
キャッチライト1つとっても分かるように、人物の撮影では瞳にピントを合わせるのが重要になってきます。
ピントの合わせ方!シーンに合わせたフォーカスエリア・モードを知るピントの合わせ方!シーンに合わせたフォーカスエリア・モードを知るでもご説明したように、被写体に合わせて「ワンショットAF」と「AIサーボAF」を使いわけつつ、瞳にピントがくるようにしましょう。
人物が真正面からの撮影では無い限り、左右の目のどちらかがより手前になるので、より手前となる目にピントを合わせます。
奥の目にピントを合わせてしまうと、なんとなく違和感のある写真になってしまいますので気をつけましょう。
レフ板で顔の影を柔らかくする
後ろに壁がある場合、ストロボの発光と逆の位置に影が濃くつくので、明るい写真を撮影する際にはレフ板で光を回します。
濃い影があるとそこだけ陰影が強すぎて浮いてしまうので、レフ板で影のニュアンスを変えてあげるようにしましょう。
ライティングで時間を操る
この3つの写真は同じ場所でほぼ同じ時間(16時くらい)に撮影した写真ですが、まったく違う時間に撮影したような印象を受けるのではないでしょうか?
場所が変われば空間の状況も違うので、一概に同じ設定にしたからと言って同じ写真が撮れるわけではないのですが、どう設定の調整を行っていったかを解説します。
【 F2.8 ISO3200 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 1/4】
こちらの写真は朝から昼のイメージを撮影したいと考えて、人物以外がボケるように絞りをF2.8に設定。
ゆっくり食べてもらっていたので、ストロボの発光があればシャッタースピードが多少遅くても瞬間的に十分な光で取り込めるので100にして、ストロボの発光量を白トビしないギリギリのラインまであげています。
最後にイメージする明るさまでISOをあげて撮影しています。
【 F2.8 ISO1000 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 1/16】
こちらは夕方をイメージして撮影。
こちらも人物以外はボカして撮影したいと考え、絞りF2.8でシャッタースピードを100で固定、先ほどの写真と撮影する位置を変えたので後ろの窓からも光を取り込んでいるのでストロボの発光量を落として1/16。
少し暗くなる程度にISOを1000にしています。
【 F9 ISO1600 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 1/32】
こちらは夜のような暗い雰囲気をイメージして撮影。
先ほどとは変わり全体をシャープな印象にしたいので絞りをF9に設定。
シャッタースピードは100で固定のまま、ストロボの発光量も1/32まで落としISOを1600にしています。
ストロボの発光量を1/16にしてISOをもっと下げる方法もあるのですが、全体の明るさは同じでも手前にあるヤカンが無駄に光を反射させてしまうので、このような設定にしています。
この時の実際の明るさは大体このくらいです。
ライティングとカメラの設定次第でここまで印象の違う撮影を行うことができます。
ライティングを使い、時間を操る撮影は他の撮影にも応用できます。
同じ店内で撮影した写真
ブツ撮りや料理撮影でも勿論使えますし、特にない時間の中で印象の違う写真をいくつも撮影したい場合におすすめです。
ポートレート撮影では相手もいることですから、十分に時間があるのであればしっかりその時間に撮影したいところですが、許される時間の中でいくつもの雰囲気を撮影したい時に駆使すると良いと思います。
まとめ
- キャッチライトで生き生きとした表情に
- ピントは瞳に合わせる
- 明るく撮影するときはレフ板も忘れずに
- ライティング次第で時間を操れる
今回ご紹介した撮影方法を駆使するだけで写真の印象はガラリと変わるはずです。
ただライティングの発光量やカメラの設定はあくまで参考です。
知識だけを身につけても実際に撮影してみないと見えてこない部分もあります。
お伝えした撮影方法だけで、すでに色んな表現方法はわかっているはずなので、あとは実践のみです。
どんどん試してみましょう!