写真で稼ぎたいと考えている方って結構多いと思うのですが、もし自分の写真を買ってくれた人がいたとして、その後その写真がどのように扱われるかご存知でしょうか?
有名フォトグラファーなら額に入れて壁に飾られるかもしれませんが、そのような使われ方はほとんどありません。
写真を買う人は誰か?趣味からカメラを仕事にするための顧客・ターゲットとは写真のほとんどの使い方は効果的にイメージを伝えるために必要なので、写真撮影を依頼したり買ってくださる方の大半は仕事で必要とされる場面です。
このあたりの写真の書い手については別途記事で詳しくまとめていますのでそちらを読んでいただければ何となく分かると思います。
では伝えるために必要な写真ですから、お渡しした写真データがそのままの写真として印刷されることはないはずです。
ポスター・チラシ・雑誌・HP・SNS、何らかの形で媒体を介して使用されます。
なので、その媒体の完成形に仕上がるまでにデザインだったり印刷だったりと、他の方の力も合わさっていきます。
そういった完成までのプロセスを知らなければ、写真で稼ぐのは難しいです。
ですが、それさえ知ってしまえば良く分かっている「頼られる存在」として稼ぐことが出来るようになってきます。
写真が広告媒体になるまでのプロセス
写真撮影の依頼の中でも使用頻度の高いポスターを例に、依頼主の会社がどのようなプロセスを経て、ポスターが人の目に触れるようになるかを解説していきます。
飲食店の新メニューの店頭ポスターの場合
この例では仮に4月からの春にだす新メニューを打ち出したいと考えている飲食店を時系列に沿って説明していきます。
大まかな流れはこんな感じです。
この例はかなり猶予のあるタイムスケジュールなので、この流れを2ヶ月や短いと1ヶ月の間でするパターンもあります。
この流れから分かることは写真撮影はポスターが出来上がるまでの一工程に過ぎないと言うこと。
上の例でも写真撮影から写真データの納品の日数は1週間以内を想定していますが、実際にはもっと早く納品することになります。
写真はあくまで商品を効果的に伝えるための素材ですから、ここでモタモタはしてられません。
もっと良い写真にしたいからと時間をかけたところで、その後の工程に支障がでて満足にデザインに当てる時間がなければ、結果として出来たポスターが何を伝えたいのか分からない、なんて事にもなりかねません。
クオリティーと言うと「品質」のことだけを考える人もいるかもしれませんが「スピード」も全体を通して見れば大事なクオリティーの要因になります。
こういった全体像を知らないカメラマンに、企業は頼みたいとは思いませんよね。
だからこそ写真で稼ぐためには「依頼主が考える写真とは素材の1つであり」大事だけどそれ以上でもそれ以下でもないことを分かっていなければなりません。
デザイン会社がすべてを請け負っているわけではない
私はフリーランスになるまではホテル・飲食業の社内デザイナーのマネージャーをしていましたが、社内にデザイン部がある会社はそんなに無いと思います。
ですから普通の会社はポスターなどを作る際に、デザイン会社(またはフリーのデザイナー)に依頼する事になるのですが、デザイン会社がすべてを請け負っているわけではありません。
大きなデザイン会社ならカメラマンも在中しているパターンもありますが、写真撮影はポスターデザインの金額とは別途費用になりますし、会社単位で動いているため費用もそれなりに掛かります。
カメラマンが在中していないデザイン会社やフリーのデザイナーだと外注でカメラマンを派遣するので、中間マージンも取られていたりすると、やはりそこそこの金額をプラスで請求されます。
そのためデザインは依頼しても、写真自体は依頼主・依頼した会社からの自社支給のパターンも多く存在します。なのでデザインはしっかりしてるのに写真のクオリティーがアンバランスな広告媒体をよく目にするのは、こういった理由からだったりします。
本当は写真だって良くしたいけど費用との折り合いがつかないため、写真までは諦めているケース。
これ実は、会社と会社のやり取りだから折り合いがつかないのです。
「複」業カメラマンの強み
デザイン会社も企業を存続していくうえで人件費や経費など多くの費用がかかるので、写真撮影にも会社としての金額を提示しなければなりません。
ですがフリーでカメラマンをしてる人、さらに言えば副業でカメラマンをしている人は自分の時間しか労力はかからないので、費用を安くしても収入がそのまま入ってきます。
特にデザインやHP制作ができる方なら一括で仕事を引き受けることができるので、本業の片手間の「副業」ではなく、本業を複数持つ「複業カメラマン」になることが可能です。
デザインやHP制作に限らず「複業」になる仕事は、アイデア次第でもっと沢山あるはずです。
ライターの方も取材や原稿制作と合わせて写真が撮れれば「複業」になりますし、販売員なんかでも自身が写真を撮れれば「複業」とまではいかなくても「副業」や「新しい部署」として役割や収入を期待できます。
「自分だけで動ける」のは自身にとってだけではなく、依頼主にとっても費用などの制約が緩和され頼みやすくなります。
まだまだこういった動きをみせるカメラマンは少ないので、ぜひ「複業カメラマン」を目指してみませんか?