いつかはなってみたい憧れの仕事がカメラマン。
大好きなカメラの世界で食っていけることができたら…こんなに素晴らしいことはありませんよね。
でもカメラマンの種類は、思っているよりも以外に沢山あります。
今回はカメラに興味があるすべての人に向けて「カメラマンの種類」について紹介していきます。
商業カメラマン
雑誌や広告などの商業向けのカメラマンの仕事をされているのが商業カメラマン。
個人で写真集を出したりするタイプの有名カメラマンもある種この部類に入るのかもしれませんが、広告の延長線上で写真集をだす方も入れば、創作に近い形でどこにも属さず写真集を出される方もいるので、すべてがこの枠に入るかは微妙なところ。
また商業カメラマンは媒体が雑誌や広告のため、専門に特化したカメラマンも多くいます。
広告カメラマン
滝本幹也さんやは特にCMやテレビ・映画の広告を手がけられているので、広告カメラマンと呼べるかと思います。
こちらは専門的な分野の中では幅の広いカメラマンではないでしょうか。
広告なのでデザインと併用して使われえることが多いので、のちにタイトルや文面が入ることも含めて構図や表現の幅がないと難しい職種だと思います。
特に自分が自由に表現するタイプではないけど、自身にしか出来ない表現を作品のイメージと合わせて伝えないといけないので、非常にセンスの問われるカメラマンでしょう。
ポートレートカメラマン
人物撮影を専門にされるカメラマン。
鈴木心さんのように芸能人から一般の家族写真まで色んな方を撮影されるカメラマンの方もいますが
蓮井元彦さんのようにモデルを中心とした撮影を得意とされる方もいます。
撮影方法もライティングを駆使したものから、フィルムカメラ1本で撮影される方など、自身だからこそ撮れる写真の表現を持たれていることが多いです。
カメラの中でもポートレートって需要が多いので、上手いだけではないもっと深く表現できる何かを持ち合わせていることが鍵となっているのでしょう。
可愛い子を可愛いまま撮影するのではなく、秘めた内面が垣間見えるような写真だったり。
いい機材で綺麗に撮るだけじゃ誰しもが同じような写真になってしまいますからね。
ファッションカメラマン
ファッション雑誌やファッションメーカーの広告を専門に扱うカメラマン。
ポートレートカメラマンに似ていますが、こちらは被写体の主役が人ではなく服を魅せることにあります。
シトウレイさんのようにストリートスナップとファッションを融合したカメラマンもいますが、基本はスタジオなどでのライティングを使った撮影が主になります。
フードカメラマン
料理をより美味しく魅せるフードカメラマン。
温かい料理から冷たい料理まで、料理に欠かせない「シズル感」を演出するのはフードカメラマンならではないでしょうか。
どう撮影するかはカメラだけでなく、料理にも工夫が施されるので同じカメラマンでも他のカメラマンと撮り比べると大きな差が生まれそうな気がします。
湯気をどう演出するか、高級感はどう表現するかその料理が食べたい!って思わせる写真からのイメージは特に大事ですからね。
建築カメラマン
柴田敏雄さんのように建造物をまるでアートのように表現できる稀代のカメラマンもいますが、建造物を風景写真のように撮影されるタイプのものと、機能に重きを置いた科学的な観点からの写真があります。
建築に関する雑誌も多く発行されていますが、そのどちらの意味も兼ね備えているので、見る者に判りやすさと素晴らしさを合わせた表現が重要かと思います。
建築自体にも詳しくないと表現仕切れないと思いますので、なかなか難しそうな特化型のカメラマン。
鉄道カメラマン
撮り鉄のマナーの問題で度々ニュースにもなるのが鉄道カメラマン。
ハイアマチュアのカメラマンが多い種類でもあります。
第一線級では中井精也さんが写真だけでなくテレビでも活躍されています。
鉄道という同じ方向からくる電車が被写体なので、ハイアマチュアカメラマンの写真は綺麗ではあるものの、構図がまったく一緒なんてこともザラです。
そこを他にない写真を狙って立ち入り禁止区間に入ったり、三脚使用禁止でも使用していたりが昨今のマナー問題になっているわけですが、プロはそういったことにも配慮しつつ魅せる写真を撮影をするわけですから、真価が問われる種類でしょう。
航空カメラマン
商業カメラマンの中でも超特化型のカメラマンが航空カメラマン。
主な被写体は航空会社の飛行機に空軍に海軍の飛行機まで。
ただし軍用機に同乗して空での撮影までできるのは徳永克彦さんを含めて世界で3人だけです。
マッハの世界の中で綿密に想定した構図を瞬く間にバッチリとピントを合わせて撮影するのは、まさに神業です。
ここまではなれないとしても、撮影する被写体が飛行機とかなり限定されているので似た構図になりやすく新しく参入するのは難しい世界かもしれません。
スポーツカメラマン
スポーツ新聞やテレビ局に、各試合の模様をお届けするのがスポーツカメラマン。
新聞社の社員になるケースと、委託されて各試合の撮影をおこなうフリーカメラマン、大きく分けて2種類。
ちなみにスポーツカメラマンの頂点と言われるのがアフロスポーツの先鋭写真家たち。
重たい機材を抱えてあちこち飛び回る仕事で、所属しているスタッフは、プロのスキーヤーも在籍しているとか。
臨場感のあるダイナミックな写真をいかに撮れるかがカギで、迫力ある1枚が撮れるようになるとチーフ級の仕事が任されるように。
オリンピックやサッカーのワールドカップ、世界マラソンなど…日本だけではなく世界の名だたる都市に行くこともあり、まさに波乱万丈な仕事ができるカメラマン冥利に尽きる仕事です。
ネイチャーカメラマン
自然の大地をフィールドに撮影を行うネイチャーフォトグラファー。
一言で自然と言ってもその幅は多様で、ここでも専門に特化されたカメラマンが多く存在します。
風景カメラマン
ネイチャーフォトグラファーの中でも撮影の幅が広いのが風景カメラマンです。
山や森に花まで自然にまつわる風景なので、男性だけでなく女性カメラマンも活躍されています。
女性カメラマンでは米美知子さんが有名ですね!
広角の壮大な風景から花などを切り取ったマクロの世界まで、無限にある被写体から美しい写真を撮影する人気のカメラマンです。
山岳カメラマン
時には登山家よりも重い装備を背負って山を撮影する山岳カメラマンはフォトグラファーの中でも、カメラ技術以外に強靭な肉体が必要とされる過酷なカメラマン。
石川直樹さんは冒険家でカメラマンですが、多くの有名な山に登頂されてその壮大な景色を撮影されています。
またフルサイズミラーレスカメラの発展により小型で堅牢性の高いカメラも普及してきましたが、一眼レフカメラやフィルムカメラを愛用されているカメラマンが多いです。
山岳カメラマンに必要なものは何よりも「壊れないこと」を重要視されるので、相棒とも呼べるカメラには強さを求められています。
仕事としてはクライアントからの依頼から撮影するスタイルと、自由に表現できるパターンがあります。
民族カメラマン
変わったところではポートレートでも民族を中心に撮影されているカメラマンの方もいます。
クレイジージャーニーでおなじみのヨシダナギさんなどがそうですね。
撮影自体の技術よりも、その場所に行くことが困難を極めるカメラマンですが、だからこそ価値の高い写真を収めることに意義のある職種です。
ただどう収入と結びつけるかは難しいところ。
動物カメラマン
雑誌などで可愛い動物を撮影するカメラマンもいますが、こちらの動物カメラマンはナショナルジオグラフィックのようなサバンナの動物を撮影したりする超本格カメラマン。
実際「世界ネコ歩き」で有名な動物カメラマンの岩合光昭さんは、日本でただ一人ナショナルグラフィック紙の表紙に2度選出されているので、確かなカメラ技術と表現が必要なカメラマンです。
ネイチャーまでいかなくても需要の高いコンテンツなので、新しい発想から動物を撮影するスタイルは、これからもっと増えてくるのではないでしょうか。
昆虫カメラマン
私たちの知ってるようで知らない昆虫と言うマクロの世界を写し出すカメラマン。
小さな世界を撮影することからマクロレンズを使ったり、時にはさらにもっと寄った撮影をするために栗林慧さんのようにカメラやレンズを自作して、極限までその世界を表現しきる職人的なカメラマンでもあります。
普段目にしていても気づかない昆虫の生体にも気づかされるので、図鑑などにも使用されたりと実は子供の時からお世話になっていたりします。
幼い頃に見た図鑑もこう言ったカメラマンのおかげで、細かな部分まで理解を深めることができたわけですね。
水中カメラマン
撮影する機材から求められる身体技術まで大きく他のカメラマンと異なるのが水中カメラマン。
ハウジングと呼ばれるカメラを水中でも使用できるように保護ケースをつけての撮影から、さらに特化したカメラ機材まで、制限のかかる水中での撮影は特殊なものが多いです。
本人もダイビングの技術が必要なので、体力以外にも必要技能がたくさんあるため、水中カメラマンになるにはいくつもの壁があります。
簡単には撮影まで辿り着けないからこそ求められるものも多いので、意外と需要はあるかもしれませんね。
ウェディングカメラマン
俗に「ブライダルカメラマン」とも言われるウェディングフォトグラファー。
お仕事内容はずばり、新郎新婦を撮りまくること。
プライベート感たっぷりの結婚式に参上して、ケーキ入刀や誓いのキス・指輪交換などの感動シーンを、次々に撮影していくお仕事です。
「ウェディングフォトグラファー」の響きに惹かれてこの業界に入って来るカメラ好きの女子は多いものの、意外にヘビーなのがこちらの種類。
写真のみならず動画も併用して撮らなければならず「もっと可愛く撮って」というワガママな花嫁のリクエストに、丁寧に応えていく高いスキルが求められます。
主役はもちろん、花嫁と花婿のためブライダルカメラマンは「忍者のように、式の進行を邪魔しないこと」がポイント。
来賓やホテルスタッフの邪魔にならないように小回りよく動けるかが大きな鍵を握ります。
苦労は多いものの「一生に一度の幸せ」をお祝いできる仕事でもあるため、やりがいはたっぷり。未経験でも受け付けてくれる式場やホテルもあるため、実績を積みたい人・華やかな種類の仕事がしたい人におすすめです。
テレビカメラマン
写真だけの枠ではないですが人気があるのがテレビカメラマン。
大手TV局でカメラマンになれば、ロケで各地を奔走するものからバラエティ番組やトーク番組を撮影するスタジオカメラマンまで多岐に渡ります。
動画が撮影スタイルの主軸になりますが、人物から風景に料理まで見せ方は様々なので、多様な技術が求められるカメラマンです。
報道カメラマン
事件が起こったときに現場まで駆け付けて撮影するのが報道カメラマン。
記憶に新しいところだと、日産のカルロス・ゴーン氏がお茶目な建設作業員姿で拘置所から出てきたとき、長いハシゴに乗って望遠レンズを回していたのは多くが報道カメラマンたち。
ガンガン陽ざしが照り付ける猛暑の日、ピューピュー北風がふりつける激寒の日も、ひたすらホシを待っていなければならない「体力勝負の仕事」です。
戦場カメラマン
ときの人・渡部陽一さんの登場で、世間の注目を集めるようになったのが戦場カメラマン。
鉄砲玉のように戦地に駆け抜けていって、被災地の現状をありのままに伝えるサバイバル過ぎる仕事です。
命がいつ吹き飛んでもおかしくない「戦士なお仕事」のため、他のカメラマンと比べて給料が高いのが特徴。
メジャーな売れっ子カメラマンになると月額の給料は100万を超えることも。
テレビ局や新聞記者から依頼されて単発の仕事をこなす、フリーのカメラマンが多い特徴もあります。
最近では「いかに危ない写真を撮るか」がクローズアップされ過ぎて、本来は行ってはいけない戦地に踏み込んでしまう鬼畜系カメラマンも増えてきています。
シリアで過激派組織につかまって帰国した安田順平さんは、危険な仕事をモノともしない戦場カメラマンの1人で、命からがら助かったものの「自己責任論」が付きまといます。
よくも悪くも、有名人になる可能性がある地獄のお仕事が戦場カメラマンなのです。
終活カメラマン
いわゆる人生の最期をキレイに撮るのが終活カメラマン。
お葬式用の写真を、どこよりも誰よりもキレイにカッコよく撮影するお仕事です。
最近は少子高齢化で元気なお年寄りが増えてきたため、以前に比べて終活写真のニーズもアップ。
稼げるようになると、そんじょそこらのフリーカメラマンよりも収入が安定。密かにねらい目の種類になっています。
終活カメラマンになりたい場合は、終活専門の写真館に就職する、遺品整理の会社にカメラマンとして雇ってもらう、葬儀社のスタッフになる…など幾つかのパターンがあります。
お相手は一般のおじいちゃん・おばあちゃんになるため、初めて会った人とも人見知りせず打ち解ける人、「一般人なんか撮影できない」と妙なプライドを振りかざさない人が向いています。
世界遺産カメラマン
世界遺産カメラマン、文化遺産カメラマンと呼ばれる超レアな仕事。
国宝級の掛け軸や茶わん、神社やお寺などの造形物、ピラミッドやスフィンクスの写真など、ありとあらゆるプレミアムな逸品を撮影するのが世界遺産カメラマンの種類。
通常は立ち入ることができないレアなゾーンに入って貴重な写真を撮影できるメリットがあるものの「絶対に壊しちゃいけない、傷つけちゃいけない」独特のプレッシャーがあるカメラマンです。
クライアントは世界の国や市など自治体関係者が多いので、英語がペラペラ話せる人・美術や歴史についての知識がある人・フットワークの軽い人などが向いている職種。
富井義夫さんのように売れっ子カメラマンになると、こっちから頼まなくてもオファーが殺到する脅威のスペシャリストに。
自分の名前入りのカレンダーが出版できる、有名デパートで個展が開けるなど…ワンランク上のセレブ層に。
奇界遺産カメラマン
これはもう一人しかいませんが、佐藤健寿さんがフィールドにされているカメラマンです。
佐藤健寿さんが一つのスタイルにまで昇華されましたが、廃墟マニアなどの何とは限定できないけど、そこにしかないものを撮影されるカメラマンの一つの到達点なのかもしれません。
突き詰めて行けば行くほど進入禁止区域などの立ち入れない場所もあるだけに、許可を得るためにはそれだけの実績を積まなければ、なる前に犯罪者にもなり兼ねないアングラなカメラマンとも言えます。
スタジオカメラマン
撮影スタジオで勤務するカメラマンで、カメラマンになるためには王道のスタンスかもしれません。
まずは助手として勤務し、雑用からだんだんとライティングなどの技術などを習得できますが、どちらかと言えば会社員に近いと思います。
多くのことが学べるため、今まで紹介したカメラマンよりも比較的簡単に目指すことができるでしょう。カメラ以外の経営に対しての考えも養えるので現実的です。
ブツ撮りやモデル撮影以外にも、お子さんの撮影を中心としたフォトスタジオも多くありますので、フォトスタジオ自体の在り方も今後さらに細分化することがあるかもしれません。
写真講師
最初からこの職種になることはほぼ出来ないと思いますが、プロカメラマンの中でも自身の専門撮影分野と併用して写真講師を兼業されている方もいます。
学校に属して講師をされる方が多いですが、DVDを販売したりオンライン講座などネットの発達と共に、新しい写真講師のスタイルもでてきています。
特にオンラインなどは学校と違い、カメラの1から10までを教えるのではなく、自分の専門に特化した講座もあるので、腕を磨いて自分だけの撮影方法を持っている強みがあれば、これからの時代では活躍できるかも。
インスタグラマー
時代の先端を突っ走るカメラマンになりたいなら、インスタグラマーもあります。
カリスマ的なインスタグラマーは、何とフォロワー数100万超え…というハリウッド俳優なみの影響力も持っています。
インスタグラマーの収入源は、インスタグラムに写真をアップして、企業からもらった広告収入で生計を立てること。
出典:excite.ニュース
海外セレブのカイリー・ジェンナーは噂によると「インスタグラム1投稿で、脅威の1億円の収入」をゲットしているとか…。
単純計算しても1日に1投稿すれば、1億円。1カ月小まめに配信をすれば、30億円。1年でウン億円と…気が遠くなる数字に。
最近ではインスタグラマー兼お笑い芸人、インスタグラマー兼サラリーマン、インスタグラマー兼パート主婦など、なんちゃってグラマーも増えてきて、戦国時代の様相に。
ライバルが多いだけに独自のネタ&個性を売り出さないと、インスタグラマーとしての稼ぎが期待できない、ある意味受難の時代になっています。
日本のカメラマンでは保井崇志さんがインスタグラマーからプロカメラマンになったり
田中達也さんのような「ミニチュア写真家」として、インスタグラムで独自の切り口でどんどんフォロワーを伸ばされているプロカメラマンもいます。
フリーランスカメラマン
どこにも属さず自分で案件を請け負って生計を立てるのがフリーランスカメラマンです。
自分の時間が自由にある分、すべてを自分自身がこなさないといけないため、カメラ技術だけでなく営業力も必要です。
ただ最近ではクラウドソーシングサイトも充実してきているので、ポートフォリオを作っておいて、自分にあった案件を見つけて依頼に提案する方法も一つの手です。
ただ様々な案件があるので、撮影+αの能力があるかないかが肝になってきます。
レタッチや加工はもちろんこと+でデザインが施せたりHPが作成出来たりと、写真を撮影した先には何かの媒体に落とし込むので、そこまでのフォローができると大きな強みになります。
写真家
最後に紹介するのが写真家です。
「カメラマンと写真家の違いは何か?」と尋ねられると人によって多少意見が食い違うと思いますが、ここでは芸術的で依頼ではなく自分の感性を表現するために写真を撮影して販売や個展を開き、生活をしている方です。
なので今まで紹介したカメラマンの中でも、こちら側に属する方も多いのですが、そうすると写真家ばかりになってしまうので、敢えてジャンルにそった形で紹介させていただいています。
アラーキーこと荒木経惟さんなんかが、まさにザ・写真家って感じですが、若い頃は電通で宣伝用カメラマンをされていたので元々は商業カメラマンから、自由に表現する写真家になられています。
なので、初めから写真家って方は実は少ないのかもしれません。
カメラを通して仕事をしていくうちに自身が表現したいものに次第にスポットを当てて、そこで生活できるほどの収入を得て、また表現していく。
そういった過程でいつしか写真家になっていくではないでしょうか。
だとすると、どんな種類のカメラマンを選んだとしても、写真家と呼ばれた時に自分の写真のスタイルが出来上がるのかもしれませんね。