商品撮影のカット表は、何を・どの向きから・何のために撮るかを一覧にしたものです。「とりあえずたくさん撮る」よりも、必要な写真を先に決めておくと、撮り忘れや納品後の行き違いを減らしやすくなります。
このページでは小物の商品撮影を例に、カット表の項目、記入例、当日の使い方をまとめます。初回の聞き取り全体は撮影依頼の打ち合わせチェックリストを使ってください。
カット表に入れたい7つの項目
- 管理番号:当日も納品時も同じ番号で照合できるようにする。
- 商品名・品番:色やサイズの違いが分かる情報も付ける。
- 必要な構図:正面、斜め、裏側、素材のアップ、使用場面など。
- 使用先:商品一覧、詳細ページ、SNS、印刷物など。
- 縦横・余白:正方形、縦長、横長、文字を入れる位置。
- 優先度:必須か、時間があれば撮る追加候補か。
- 確認欄:撮影済み、確認済み、納品ファイル名を記録する。
納品枚数と撮影回数は別です。カット表の1行を撮るために、ピントや光を変えて複数回シャッターを切ることもあります。「6カット」という言葉だけで終わらせず、完成写真として何枚必要かまでそろえます。
商品1点を撮るカット表の記入例
以下は架空のマグカップを撮影する例です。すべての商品でこの6枚が必要という意味ではありません。掲載内容に合わせて減らしたり、追加したりしてください。
| 番号 | 撮る内容 | 用途・構図 | 優先度 | 確認 |
|---|---|---|---|---|
| A01 | カップ全体・正面 | 商品一覧/正方形でも取っ手が切れない | 必須 | □撮影 □確認 |
| A02 | 斜めから全体 | 詳細ページ/奥行きと形を見せる | 必須 | □撮影 □確認 |
| A03 | 内側・飲み口 | 詳細ページ/内側の色と厚みを見せる | 必須 | □撮影 □確認 |
| A04 | 表面の質感アップ | 詳細ページ/模様や釉薬の質感 | 必須 | □撮影 □確認 |
| A05 | 使用場面 | SNS/縦長、上に文字用の余白 | 必須 | □撮影 □確認 |
| A06 | 2色を並べる | 色違いの紹介/横長 | 追加候補 | □撮影 □確認 |
同じ商品の色違いがあるなら、「全色を同じ角度で撮るのか」「代表色だけ詳細を撮るのか」も決めます。商品数に撮影方向を掛けると想定以上のカット数になるので、見積もり前に一覧にすることが大切です。
空欄で使えるカット表のひな型
下の項目を表計算ソフトやメモにコピーして使えます。専用のアプリを用意しなくても、当日の確認者と共有できれば始められます。
案件名:____ 撮影日:____ 確認担当:____
商品名・品番:____ 色・サイズ:____
カット番号:____ 撮る内容:____
掲載先:____ 縦横比・文字の余白:____
背景・小物:____ 参考写真:____
優先度:必須/追加候補
状態:未撮影/撮影済み/確認済み/撮り直し
納品ファイル名:____ 備考:____
撮影前にカット表を完成させる手順
1.写真で伝えることを聞く
商品一覧なら識別しやすさ、詳細ページなら素材や使い方、SNSなら使用場面など、写真の役割を分けます。「おしゃれな写真」の一言だけで構図を決めず、写真を見た人に何を理解してほしいか聞きましょう。
2.参考写真のどこを使うか言葉にする
光の向き、背景、置き方、余白のどこを参考にするかをメモします。参考写真と被写体や場所が違えば同じ仕上がりにはならないため、そのまま再現すると約束せず、撮影で目指す点を確認します。
3.必須と追加候補を分ける
時間が足りなくなったときに、何を残すべきかを先に決めます。必須カットを撮り終えてから、組み合わせや小物違いを試す順番にすると進行を組みやすくなります。
当日は「写真を撮った」だけでチェックしない
撮影済みの印は、必要な構図で撮れていることを確認してから付けます。画面を拡大してピントやブレを点検し、ラベルの文字、商品の向き、取っ手などの細部も確認します。確認担当者がいる場合は、どの段階で見てもらうかを事前に決めておきましょう。
同じ照明や背景で撮るカットをまとめると設営の入れ替えを減らせます。ただし、番号順と撮影順が変わる場合は、画像とカット番号を対応させるメモを残します。似た商品は、品番札を別に撮って区切りを記録する方法もあります。
納品前に、カット表とファイルを照合する
- 必須カットがすべて選ばれているか確認する。
- 同じ構図の重複や、別商品の混入がないか見る。
- カット番号と完成ファイル名を対応させる。
- 未撮影・要確認の項目を残したまま納品しない。
- 追加候補を撮った場合は、納品するかと費用の扱いを確認する。
納品データの形式と送付文面は写真の納品方法で確認できます。準備・撮影・仕上げを含めた料金の考え方はカメラマンの料金設定と見積もりをご覧ください。
よくある質問
カット表は依頼者とカメラマンのどちらが作りますか?
必要な写真を知る依頼者と、撮影手順を組むカメラマンの両方で確認すると進めやすくなります。依頼者が一覧を作れない場合は、聞き取りを基に案を作り、撮影前に内容を共有しましょう。
当日カットを増やしてほしいと言われたら?
必要な時間、準備、追加料金、納品期限への影響を確認してから対応します。元の必須カットを優先するのか、別のカットと入れ替えるのかをその場で整理し、変更内容を記録してください。




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