撮影した写真は、きれいに仕上げるだけでなく、相手が迷わず使える状態で渡して初めて納品になります。先に決めたいのは、用途・枚数・形式・画像サイズ・期限・受け渡し方法の6つです。
この記事では、初めて写真の仕事を受けた人に向けて、書き出しから送付までの手順をまとめます。撮影前の打ち合わせには撮影依頼の確認事項10項目も使ってください。
写真を納品するまでの5手順
- 使う媒体と納品条件を確認する。
- 写真を選別し、合意した範囲で調整する。
- 指定された形式・サイズで別フォルダーに書き出す。
- 書き出したファイルを開き、枚数と画質を点検する。
- 受取人を確認して共有し、受領の連絡をもらう。
元のRAWデータや編集用ファイルと、納品する完成画像は分けて保管しましょう。選別に困ったら画像管理ソフトの比較、調整の統一にはLightroomプリセットの作り方が参考になります。
納品前に決める形式と画像サイズ
| 用途 | 形式の候補 | 相手に確認すること |
|---|---|---|
| Web・SNS掲載 | JPEGなど | 必要な縦横ピクセル数、縦横比、容量上限、色空間 |
| チラシ・冊子などの印刷 | JPEG・TIFFなど指定形式 | 使用サイズ、必要な解像度、トリミング、制作担当者の入稿条件 |
| デザイン・加工の素材 | 制作側の指定形式 | 背景の切り抜きの有無、余白、レイヤーや編集データの要否 |
形式は一律に決めず、相手の制作環境を優先します。RAWや編集データも必要と言われた場合は、渡す範囲・追加作業・費用を撮影前に確認します。「写真を納品する」という約束だけで、撮影した全データを渡すと決めつけないようにしましょう。
「長辺2000px」と「300ppi」は違う指定
ピクセル数は画像を構成する点の数です。ppiは印刷時の1インチあたりのピクセル数を表します。たとえば長辺3000pxの画像を300ppiで配置すると、長辺は約25.4cmになります。必要なピクセル数が足りなければ、ppiの数字だけを変えても元の細部が増えるわけではありません。
「高画質で」と言われたら、何にどの大きさで使うかを確認します。Web掲載用の小さい画像だけを渡した後に大きく印刷すると、必要な解像感を得られない場合があります。
Web用は色空間も確認する
一般的なWeb用途ではsRGBが候補になります。ただし、相手から色空間やプロファイルの指定があれば、その条件で書き出します。同じファイルでも画面や閲覧環境によって色の見え方は変わるため、完全に同じ見え方を約束しないようにします。
Lightroom Classicでは、書き出し時に形式・画質・色空間・画像サイズなどを設定できます。項目の詳細はAdobe公式の書き出し設定で確認してください。
ファイル名とフォルダーを分かりやすくする
次は整理例です。相手の命名ルールがある場合はそちらに合わせてください。
- フォルダー:20261017_shopA_delivery_v1
- 画像:shopA_product01_001.jpg
- 修正版:shopA_product01_001_v2.jpg
Web用と印刷用を分けるなら「web」「print」のように用途が分かるフォルダー名にします。確認用と完成版を同じ場所に混ぜず、送る前に不要な試し書き出しや重複ファイルを除きます。修正版は変更したファイル名と変更点を伝え、どれが最新版かを明確にしましょう。
写真データの送り方を選ぶ
少量ならメール添付、大きいデータや複数枚ならファイル転送・クラウド共有が候補です。相手の会社で利用できるサービスか、アカウントの作成が必要か、スマートフォンでも保存する必要があるかを確認して選びます。
- 共有先は必要な相手に絞る。誰でも見られる公開設定にする前に、被写体と利用条件を確認する。
- リンクの有効期限とデータの保管期間は分けて伝える。
- ZIPにまとめる場合は、相手が展開できる環境か確認する。
- リンクの権限と期限を点検し、受取人が実際に開けたか確認する。
- 位置情報など、納品に不要なメタデータの扱いも確認する。
サービスごとに容量や期限、再圧縮の有無は変わります。メッセージアプリで送る場合も、通常の写真送信では画像が縮小されることがあるため、ファイルとして元のデータを渡せるか確かめます。
そのまま使える納品メールの文面例
〇〇様
〇月〇日に撮影した〇〇の写真をお送りします。
納品内容:基本調整済みJPEG〇枚/長辺〇px/色空間〇〇
ダウンロード先:〇〇
ダウンロード期限:〇月〇日
ファイル名の一覧と撮影カットを照合しています。お手数ですが、ファイルを開けることと、枚数をご確認いただけましたらご一報ください。修正のご希望は、対象のファイル名と変更内容をまとめて〇月〇日までにお知らせください。
よろしくお願いいたします。
これは文面の例です。形式・期限・修正対応は、実際に合意した条件に置き換えてください。修正回数や対応範囲を新たに一方的に追加せず、撮影前の見積もりと一致させます。
送る直前のチェックリスト
- □ 必要なカットと納品枚数が合っている。
- □ 書き出した画像を開き、ピント・ブレ・色・明るさを確認した。
- □ 形式・ピクセル数・縦横比・色空間が指定どおり。
- □ ファイル名と最新版が分かり、確認用データが混ざっていない。
- □ 送信先、共有権限、リンク期限を確認した。
- □ 元データと完成画像のバックアップがある。
- □ 相手に枚数・内容・保存方法を伝え、受領確認を依頼した。
よくある質問
写真は何枚納品すればよいですか?
撮影枚数ではなく、合意した完成カット数を基準にします。候補から相手が選ぶ方式なら、選定する人と締切、選定後の調整に必要な日数も先に決めましょう。
JPEGで送れば必ず画質はそのままですか?
書き出しの圧縮率・縮小設定・転送方法によります。完成した画像そのものを開き、実際の利用サイズで問題がないか確認します。JPEGの再保存を繰り返さず、修正は編集元から改めて書き出すと管理しやすくなります。
納品後の修正は無料で対応するべきですか?
合意した範囲で対応します。撮影時の確認不足による修正と、後から増えたカット・合成などは分けて相談しましょう。作業時間を含めた考え方は撮影料金と見積もりの計算例で紹介しています。



コメントを残す