当たり前かもしれませんが、写真を仕事にするなら自分がどんな写真が撮影出来るのか伝えられなければいけません。
「写真撮影ができるよ!」と言われたても、一体どんな写真を撮影出来るのか分からなければ不安になります。
またポートレートや風景写真など、様々な自分のベストの写真ばかりを見せるのは自分的には納得いくものでも、相手にとっては自己満足の世界を見せられているようで仕事を頼んでみたいと言う気にはならないかも。
仕事に繋がるポートフォリオとは
同じ商品でも「どう見せ方を変えられるか」
これって結構重要だと思います。
写真撮影よりもデザインやHPなどを作っているときに感じるのですが、せっかくの良い商品でも代わり映えのしない構図・雰囲気の写真を渡された時は「どうしたものか」とよく頭を悩ませます。
最高の一枚だけを提示されても使い道があまりにも少ないからです。
例えば「シズル感」のある料理写真があったとして、ポスターに使用する分には良いのですが、実際にはメニュー一覧にもその料理を載せたいと言われた時に、他の写真がしっかりと料理を捉えた写真なのに、一枚だけ雰囲気重視の料理があると違和感が出てきます。
1つの料理・1つの商品でも複数の表現の仕方が媒体にはあるはずです。
それなのに、そういった伝えるツールになった後のことを考えていないカメラマンもいたりするのが現実です。
だから写真撮影をしてもらった時は「良いものを撮ってもらった」と感じるのに、あとでどういう使い方をしたらいいのか分からないお客さんもいたりします。
媒体への使い方を提案をしてあげられる写真
例えばこちらはポスター用で撮影した「いちごタピオカ」の写真ですが、ポスターで文字が入ることやパッと見でどれくらいのボリュームがあるものなのか割と説明的に伝わるように撮影しています。
依頼内容としてはこの写真でOKなのですが
せっかく苺を丸々使った贅沢なドリンクなので、苺のぎっしり感をSNSなどでも発信できるように、違うアングルや雰囲気のものも撮影しています。
そして、その時には勝手に撮るのではなく、せっかくだったら「SNSの発信用にもこういった感じはいかがですか?」と提案していたりします。
ただこの場合は私がそういった提案ができる事・してくれることを知っているお客さんとの間でのやりとりなので、初めて一緒にお仕事をする方には話したり伝えなければいけません。
なので、そういったことが出来る・考えてあげられる人なんだと伝えるために、同じ商品でも使う媒体を意識したポートフォリオを用意しておくとすごく分かりやすいのです。
同じ場所でも雰囲気を変えた写真
上の2つの写真は、ほぼ同じ時間・同じ場所で撮影しています。
ですがまったく異なる印象を受けるのではないでしょうか。
左はクールで宣材写真のような雰囲気ですが、右はお昼のランチの一瞬をスナップした雰囲気にしています。
正直この2つの写真の撮影なんて全然難しくないのですが、一枚づつ見るとそれなりでも2つを並べて同じ時間・同じ場所で撮影したと聞くと、写真を自由自在に撮影出来るような印象を受けるはずです。
自分が出来て当然だと思うことも、お客さんにとっては伝えてもらわなければ分からないことですし、出来ることによって「して欲しいこと」も増えてくるかもしれません。
「もしどうやって撮影するの?」って方がいれば、追々撮影方法なども書いていこうと思います。
ネタバレ的なレタッチ技術を見せるのもあり
写真は去年の年末にある忘年会での一コマなんですが、思いっきりカメラの設定が雑なので明るすぎるはアレンジがかってるはの写真でも、後である程度はレタッチで調整出来ます。
この写真はRAW撮影ですが、JPEG保存の写真でもある程度は調整出来ます。
これが出来ると写真撮影ではないのですが、お客さんの「お手持ちの写真」も修正が出来るので、それも1つの仕事にできます。
割と私もレタッチを頼まれることも多いです。
世間ではレタッチのやりすぎで本当の景色から逸脱してる写真に対して批判的な声もありますが、それは作品としての在り方だと思います。
世界の素晴らしい景色を誇張するのは確かに「どうなのかな?」とは思いますが、こと仕事として写真のことを考えるなら私はレタッチは必要だと考えています。
写真を依頼してくれるお客さんにとっては「写真は伝えるためのツール」ですから、魅力的に映し出すのが使命です。
レタッチだとなんか「撮影に自信がないんじゃないか」と感じられるんじゃないかと思い人もいるかもしれませんが、全然そんなことありません。
むしろ写真撮影ができて、尚且つより魅力的に引き立たせる武器を持ってる人なんだと思ってもらえます。
カメラを趣味にしている方にはこだわりのある人が多いですが、世の中の人は写真が出来上がるまでの過程は気にしていません。
何度も言っていることなのですが、写真を仕事にするならお客さんは企業とするのが良いです。
そんな企業にとって「写真」は自社の商品や魅力を伝えるための1つのツールであり、そこからポスター・チラシ・HP・SNSへと媒体ごとに使われていくため、写真もまた過程の1つなのです。
自分が思っているほど、写真がそれ以上でもそれ以下でもないのです。
言い方はよくないかもしれませんが、使えるものはすべて使って自分の力を出し切ってくれる人の方が、しょうもないこだわりがある人よりよっぽど信頼してもらえます。
ポートフォリオはあなたの営業ツール
営業の方で自社の過去の業績をたらたら話す人って成績悪いと思います。
一緒に仕事をしたら「どんなことをしてくれるのか」の提案が魅力的な、与える人に仕事は頼みたいものです。
だったらポートフォリオも同じです。
「どんな写真を撮ったことがあるか」かではなく「どんな写真を撮ってくれるのか」提案できる営業ツールを持つことは、写真を仕事にしたいなら持っておきたい・作っておくべきアイテムです。
コメントを残す