2018年からのフルサイズミラーレスの勢いは凄いもので、多くの有名カメラマンもフルサイズミラーレスに移行していることをよく見聞きします。
ですがそれはYOUTUBEや各メディアが挙って発信しているところもあるので、では日本にとどまらず世界的にみて使用されているカメラって何なのか気になるところではないでしょうか?
海外の「PHOTOLARI」というサイトで、世界的な報道写真のコンテスト「World Press Photo 2019」の受賞作品で使用されたカメラが紹介されています。
こちらを見ることで世界の一流報道カメラマンがどんなカメラを使っているのかが分かってきます。
ポートレート撮影などで真価を発揮する「瞳AF」などを搭載したフルサイズミラーレスは魅力的ですが、その一瞬を確実に捉えることが全ての報道カメラマンにとっての命とも言えるカメラはどのような結果になっているでしょうか。
一流報道カメラマンが使用するカメラ・ランキング
使用カメラはご覧通り。
上位機種はCanonが独占、ついでNikonでそのほとんどなっています。
受賞者使用カメラ数 | メーカー | 機種 |
6 | Canon | EOS 5D Mark IV |
5 | Canon | EOS 5D Mark III |
4 | Nikon | D5 |
3 | Canon | EOS-1D X Mark II |
3 | Nikon | D850 |
2 | Canon | EOS 6D |
2 | Nikon | D3S |
2 | Nikon | D800 |
1 | Canon | EOS 5Ds R |
1 | Canon | EOS-1D X |
1 | Nikon | D300 |
1 | Nikon | D7200 |
1 | Nikon | D4 |
1 | Fujifilm | X-Pro2 |
1 | Fujifilm | X100T |
1 | Fujifilm | X100S |
1 | Fujifilm | X100 |
1 | Sony | α7R II |
1 | Leica | LEICA Q |
何が驚いたってSonyがほぼと言っていいほど使用されていない点と、Fuji Filmが割と検討していること。
報道カメラマンの世界なので、一概に世界ではSonyが使われていないってことではないと思いますが、やはり今まで使ってきたレンズと含めて一瞬を捉える性能はまだまだ一眼レフカメラに信頼をおいているように感じます。
フルサイズミラーレスの最大の現時点での最大の欠点は、レンズのラインナップが各社共に揃っていないことが挙げられますので、今のレンズをマウントアダプターを介してまで使う理由がないってことでしょう。
SONYはレンズのラインナップ揃っていますが、元々CanonやNikonユーザーだった報道カメラマンが買い換えるまでの理由には至っていないということですね。
その点でFuji Filmが何機種か入っているところを見ると、世界的にはSONYよりもコアなファンが多いのでしょうか?
もしかしら使い勝手とも関係があるのかもしれませんね。
カメラシステムの割合(一眼レフ・ミラーレス・etc)
カメラシステム | 割合 |
一眼レフ | 71.1% |
その他 | 15.5% |
コンパクトカメラ | 8.9% |
ミラーレス | 4.4% |
先ほどの機種別のランキングでも薄々分かっていたことではありますが、割合別で見るとこのような感じになります。
やはり一眼レフカメラが圧倒的シェアを誇っています。
ミラーレスがコンパクトカメラの半分以下で全体の5%にも満たないのが分かります。
この感じだと報道カメラマンの世界では、CanonやNikonがフルサイズミラーレスを発売されていますが、使用されるのはまだまだ先の話になりそうですね。
センサーサイズの割合(フルサイズ・APS-C・etc)
センサーサイズ | 割合 |
フルサイズ | 73.5% |
その他 | 15.5% |
APS-C | 11.1% |
やはりと言うべきか、大は小を兼ねるフルサイズが圧倒的な主流になっています。
撮影した写真がどの媒体で利用されてもいいように、センサーサイズは大きい事に越したことはないのでしょう。
報道と言えば日本では芸能人や官僚のゴシップ的な方が先にイメージされるかもしれませんが、受賞作品を見ればわかるように紛争や貧困地域などの現状を切り取った写真も多く、その状況をより正しく伝えるには広い画角のものも多いため、より広く撮影できるフルサイズになっていくのは当然かもしれません。
もちろんセンサーサイズが大きいことで、より細部まで描写されていることもあると思いますし、そういったハイスペックなカメラで報道カメラマンが撮影してくれからこそ、真実を正確に伝えることができるのだと思います。
どんどんと新しいカメラが発売されていきますが、一流の報道カメラマンが使用するカメラを紐解くと、いかに長年自分が培った技術をスムーズに撮影することが出来るかに重きを置いているかが垣間見えます。
カメラの性能ばかりに頼ってないで撮影の腕を磨き、どんな状況でも撮影出来る技術が身についた時に、真に自分にあっているカメラがわかるのかもしれませんね。