どんどんと拡大していく「ストックフォト」市場。
インスタグラムなどの台頭で、プロカメラマンでなくとも良い写真を撮る人が増えたことで、企業も自社をアピールするのにより良い写真を使うことが必須になってきたこともあると思います。
実際、私もデザイナーとして仕事をしていますが、自社で補いきれない写真やデザインパーツなどを購入することがあります。
そんなおり「デジカメWartch」で「PIXTA」の2018年のトップカメラマンの売上が発表されていました。
「ストックフォト」売上トップは脅威の3000万オーバー
上の画像なんですけど、1位のトロフィーを画像にしようと思ったんですが、家に悲しいかな。何もトロフィーがなかったのでストックフォト「pixaday」からフリー素材を探して使用したのですが、あまり良いのがありませんでした。
私のブログですら、全部自分が思い描く表現をしようとすると、自分ではなかなか難しく、探してもフリー素材ではお目当ての写真をドンピシャで見つけるのは至難の技です。
企業であればなおさら。
そんな企業にとって必要な写真をリサーチして、販売戦略だけでなく構図や演出も考えて提案された結果、3000万オーバーの売上を叩きださせていました。
ストックフォトトップカメラマンの戦略
「PIXTA」売上トップカメラマンは「xiangtao」さんという方なのですが、PIXTAの「xiangtao」さんのページを見ると「なるほど!」と唸らされる写真が揃っています。
豊富なオフィス風景
割とフリー素材(商用利用可のもの)でもオフィス風景はあるにはあるのですが、大体は外国人が使われていることが多く、グローバルな企業なら使えなくもないですが、そこまでの企業がフリー素材ってのも使いにくいはずです。
そんな市場のニーズをうまく捉えて、オフィスで人物も含めた写真を多く取り揃えられているの分かります。
同じ場所での写真でも、人物の表情が違ったりちょっとした構図が違ったりと「あともう少しこんな写真があったら良かったのに」と言った痒い所にまで手が届いた写真で、これは「xiangtao」さんでも買うのも納得。
もはや一つのカテゴリーの完成形にも近い感じがあります。
実際それらの写真を撮るのに経費で700万かかっているそうなので、3200万の売上から700万引いた2500万が利益になっているそうですが、それでもすごい収益です!
いかにリサーチして戦略を立てて写真を撮っているかが分かります。
写真素材点数が12万以上の猛者
写真のニーズに合わせた戦略とクオリティーだけでなく、写真素材の点数も12万以上と尋常じゃない数を揃えられています。
有名プロカメラマンや人気インスタグラマーでもなければ、その人が撮った写真だからって売れるわけではないのが「ストックフォト」
写真を探している方は、自分が欲しい写真のキーワードやタグから探していくのですが、そういった需要を多くキャッチするには種類がものをいいます。
種類が多ければ多いほど色んなキーワードやタグをつけることが可能なので、そういったところを網羅されているところもトップたる所以ではないでしょうか。
奇跡の一枚を数枚撮るだけなら頑張れば誰でもいつかは出来るでしょうが、高クオリティーの写真を維持しながら点数も常時増やし続けるのは、ある意味有名プロカメラマンより凄いことです。
ページを眺めているだけでも勉強になります。
さらに動画にも着手
また現在は92点と写真に比べると多くはないですが(いや、多いんですけどね)動画も販売されています。
こちらも誰が使うかを想定された動画構成で、デスクで女性がパソコンを使うシーンや珈琲豆を掬い上げるシーンなどがあります。
デスクで女性がパソコンを使うシーンはラフな服装のパターンとスーツのパターンがあり「家でも簡単に出来るパソコンの何々」や「会社での仕事風景」みたいなのに使えそうで、珈琲豆を掬い上げるシーンは珈琲豆を造る会社から販売するお店まで色々と想定できそうです。
YOUTUBEなど動画がきている時代でもあるので、そういったニーズにも目を向けているあたりがプロだと思います。
「ストックフォト」は今から初めても遅い?
ではここまでの猛者がいたら今から「ストックフォト」を初めても遅いのかといったら私はそうは思いません。
もちろん一つの大きな市場「企業・オフィス向け」には「xiangtao」さんの写真が圧倒的に有利だと思いますし、今から覆すのはほぼ厳しいと思います。
新しいジャンルを切り開く
でも、まだまだ未開拓の市場はゴロゴロ眠っている気がしてなりません。
私なんかが仕事で「ストックフォト」を使う時は、写真そのものではなくテクスチャー(背景素材)を探すことがよくあります。
テクスチャーは写真の雰囲気を出すために、背景自体に使うこともあれば背景の写真に掛け合わせて独特な風合いにする場合もあります。
その時に探すのが「adobe stock」なのですが、こちらは月額を払って画像を購入しています。
それでも自分が理想とするテクスチャーが見つからないなんてことはざらにあるので、テクスチャー1つとっても、まだまだかなりのニーズがあるかもしれません。
この「ストックフォト」市場は、これからさらに伸びるので今からでも遅くはないはずです。
写真が資産になる時代
もう一つ「ストックフォト」の中でも「いいな」と思っていることがあります。
それは切り売りの商品ではないと言うこと。
詳しい方は知っているかもしれませんが、よくよく考えてみてください。
販売する写真は何人もの方に買っていただいてOKなんです。
これがどういうことなのか。
ロイヤリティーフリーの存在
ロイヤリティーフリーとは簡単に説明すると、一度使用を許諾されれば使用許諾の範囲内で何度でも複数に使用できるライセンスのことです。
これは購入者側の話で、じゃあ販売する側はどうなるの?って思うじゃないですか。
答えは著作権は販売者(自分)にあります。
あくまで写真の許諾を一定の金額を得ることでOKにしているだけなので、著作権フリーになっているわけではありません。
また販売してくれる「ストックフォト」の会社が著作権を持っているわけでもありません。
なので販売していても「ストックフォト」の会社の取り決めにある内容であれば、自分のブログやSNSで使用しても問題ありません。
一応どういった場合はダメなのかは「PIXTA」のQAで見ると
Q.自分のブログや自分のサイト、SNSで公開している作品は販売可能ですか?
問題ありません。販売可能です。
ただし、専属クリエイターの方や、独占コンテンツ設定を行っている作品がある場合に限り、該当の作品をご自身のサイトで有料で販売、もしくは(フリー素材などとして)無償で提供することはできません(サイトのデザインの一部や、ご自身のポートフォリオとして掲載することは問題ありません)。
このように専属クリエイターになっていたり独占コンテンツで著作権が「ストックフォト」側にもある場合や、自分でも勝手に販売や無償提供しなければ、比較的自由に使うことが出来ます。
そう!
だから一生懸命に自分で撮った写真が消費されるものではなく、しっかりと自分の価値ある資産として残っていくのです。
写真の価値が重要になってきた時代だからこそ、自分の写真が大事にできる「今」は、どんどん世に出していかなければ勿体無い世の中なのかもしれません。
せっかく撮った写真は埋もれさしてしまわず、世に出せば輝くものもあるかもしれないですね!