形あるものいつかは壊れる。
そうは言ってもいきなり壊れてもらっては困るものの1つがカメラではないでしょうか。
大事な撮影の最中にカメラが壊れたら目も当てられません。
そんなカメラの寿命を把握しておくこと方法についてご紹介していきます。
カメラの寿命、シャッターの耐久回数とは?
カメラの寿命、知っていますか?
あるデータではデジカメの買い替え年数は2005年に約2.9年だったものが、2013年は4.6年、2019年には6.0年にまで伸びています。
これはカメラの性能があがったということもありますが、コンデジよりもデジタル一眼ユーザーが増えたことも理由にありそうです。
コンデジなどの場合は、数年同じカメラを使い続けるということは少なく、必要に応じて新商品を買い替えたりもするのであまり寿命を気にする必要はありません。
しかし、デジタル一眼の場合は、4~5年愛用するということも少なくない上、カメラ好きが使えば使用頻度も高く、買い換える前に寿命が来るということも少なくありません。
また、プロカメラマンにとっては、一眼カメラは大事な商売道具で、仕事中に壊れてしまっては困ります。
そこでデジタル一眼には寿命の目安があります。
その目安となるのがショット数です。
ショット数とはシャッターを切った回数のことです。
カメラ中で、最も頻繁に使われる部品であるシャッターは、まさにカメラの心臓部。
プロカメラマンが酷使するデジタル一眼はメーカーもシャッターユニットの耐久テストを行っていて、耐久テストのクリア回数をカタログやHPに公表しています。
メーカーはカメラの寿命としては明言していませんが、その公表されているテストのシャッター耐久回数を多くのユーザーがカメラの寿命の目安としています。
つまりシャッター耐久回数<愛用カメラのショット数となった場合、そのカメラはそろそろ寿命と判断することができます。
一般的にデジタル一眼はエントリー機で1~5万回、ミドルスペックのカメラで10万~20万回、フラッグシップモデルで40万~50万回のシャッター耐久テストをクリアしています。
正確な数値はフラッグシップモデルなどでは信頼性の証明として公表されていますが、ミドルスペック以下では公表されていない場合もあるので参考数値となることもあります。
シャッター耐久回数はあくまで耐久テストの結果であり、寿命の目安ですが、使用年数などの曖昧な数字よりもカメラの寿命を知る上では信頼性の高い数値といえます。
シャッターの回数を調べる方法
では、シャッターを押した回数であるショット数を調べるにはどうしたら良いのでしょう。
ファイル名から類推
デジタルカメラで撮影した写真のファイル名は、買ったときの初期設定のまま撮影している場合は4ケタの通し番号でファイリングされていたりします。
そこで、ファイル名を見ることでショット数がわかる場合があります。
ファイル名は多くの場合4ケタなので1万回をこえるとまた0001からスタートしています。
数万回撮影している場合は、過去に撮影した写真をさかのぼってファイル名が何巡しているかを見ることでショット数を調べることができます。
似たような調べ方としては、撮影した写真を1つのフォルダで管理している場合はファイル数を調べることでもショット数を類推することができます。
ただし、これらの方法はあくまで撮影した画像が削除されたりせずに保存されていることが前提で、あくまで推測する方法となります。
サービスセンターで確認してもらう
デジタル一眼を使っていると、ピント調整やイメージセンサークリーニングなどでサービスセンターを利用する機会もあるでしょう。
ショット数は、カメラをメンテナンスをする上での重要な情報なのでほとんどのデジタル一眼でボディ内に記録されています。
サービスセンターに行くとショット数を教えてくれたりもします。
修理を行った場合には修理内容明細にレリーズ回数として記載されている場合もあるので確認してみましょう。
専用ソフトで確認
カメラのショット数は撮影した写真にExif情報としても記載されていることもあります。
ただし、ショット数は写真には大きく影響しない情報なので、メーカー純正のRAW現像ソフトやAdobe Lightroomなどでは確認できません。
そこで、写真を専用ソフトで解析することでショット数を確認することができます。
今回は2つの方法で写真を解析してショット数を調べる方法を紹介します。
ただし、CanonのカメラではExifではショット数が確認できない場合が多く、以下の方法ではショット数が調べられないことがあります。
Exif情報を上手に活用しよう!Exifの確認や編集方法を紹介!
ショット数.com
ショット数.comはソフトをインストールするといった面倒な作業なしに写真からショット数を調べることができます。
まずはWebページにアクセスして、写真をドラッグアンドドロップでアップするだけでショット数が調べられます。
ただし、アップする写真はJPEGに限られるので、ショット数をチェックしたいデジタル一眼で一度JPEG撮影しておく必要があります。
JpegAnalyzer Plus
https://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se257653.html
ショット数を調べることができるフリーソフトは様々なものがありますが、今回はJpegAnalyzer Plusを紹介します。
こちらもJPEGで撮影した写真が必要となります。
ダウンロードしたZIPファイルを展開したらインストールなどは不要でexeファイルを実行すれば起動できます。
あとは写真をドラッグアンドドロップすれば自動的に解析してくれます。
その他のカメラの寿命を縮める要因
シャッター耐久回数はあくまでシャッターが故障をせずに動き続けることをテストした回数です。
連写を多用した撮影やタイムラプス撮影など、ダイレクトにシャッターユニットに負荷のかかる撮影でももちろん寿命は縮まりますが、その他の要因でもカメラの寿命は縮まります。
カメラの寿命を縮めてしまう使い方としては、やはり衝撃や水やホコリなどの外的要因です。
そしてもう一つ忘れてはならない外的要因が熱です。
長時間の撮影をしているとカメラが熱をもっていることに気づきませんか?
高画素な写真を処理するカメラは意外と発熱しています。
パソコンやスマホと同様にデジタル一眼も熱が寿命を縮める要因となることもあるので注意しましょう。
一眼レフとミラーレスはどっちが寿命が長い?
一眼レフとミラーレスはミラーユニットがない分、ミラーレスが長寿命の様に思えますが実際のところはどうなのでしょう。
一眼レフとミラーレスのプロ向けカメラ代表格であるCanon EOS-1D X Mark IIIとSONY α9 IIのシャッター耐久回数を比較すると、どちらもほぼ50万回ということでカメラのシャッターユニットによる寿命自体はほぼ同じといえます。
https://cweb.canon.jp/eos/lineup/1dxmk3/
https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-9M2/feature_4.html
カメラの寿命といえるシャッター耐久回数にはミラーユニットと合わせた耐久回数ではないので、このような結果となります。
もちろんEOS-1D X Mark IIIのミラーユニットはシャッターユニットと同等の耐久性能があるので、50万回の撮影に耐えられる性能がありますが、部品点数が増えるのでリスクは増えます。
機械は部品が増えればそれだけ故障確率はあがるので、そういった点からはミラーレスの方が故障に強いといえます。
しかし、ミラーレスはボディがコンパクトなのでまだまだ排熱の問題がつきまとっています。
熱によって電子部品などの故障リスクはミラーレスが高くなります。
寿命については一眼レフとミラーレス、一長一短と言えそうです。
カメラを延命するユニット交換
ショット数がシャッター耐久回数に近づいてきたら、新しいカメラの購入を検討しておいたが良いでしょう。
しかし、プロ機やハイアマチュア機はそう簡単に買い換えられる価格ではなく、また、プロカメラマンやハイアマカメラマンの場合、次の新モデルの登場前にシャッターユニットが寿命を迎えるということもあります。
そういった場合はシャッターユニットを交換して延命させることも可能です。
シャッターユニットの交換であれば2万円ほどから、ミラーユニットも合わせれば4万円ほどからメーカーのサービスセンターで交換作業を依頼することができます。
ミラーレス一眼はミラーユニットがないので、こういうときはかなりお得ですね。
プロ機の場合、ユニット交換には技術料込で10万円近い金額かかかる場合もありますが、シャッター耐久回数を超えていつ壊れるかわからない状態で撮影するよりも、カメラを買い換えるよりはお得なユニット交換をした方が良いでしょう。
まとめ
- カメラの寿命はシャッター耐久回数を目安に
- ショット数はフリーソフトなのでチェック可能
- ショット数はあくまで寿命の目安で、それより早く壊れることも
デジタル一眼の使用期間は以前は平均3年程度だったものが、最近では5年以上に伸びてきています。
以前の様に劇的な技術革新が少なくなり、カメラの信頼性が向上したことが理由ですが、そうなってくると、寿命も気になるところです。
デジタル一眼の寿命はメーカー発表のシャッター耐久テスト回数を参考に、自分のカメラのショット数と比較して判断しましょう。
コメントを残す