料理撮影をストロボ1灯で始める手順
料理の斜め後ろから光を当て、手前の影を白いレフ板で調整する配置から試してみましょう。この記事では、半逆光の配置図と、パンやケーキを撮影した既存の作例を使って解説します。
- 料理の斜め後ろにストロボを置く。カメラから見て料理の奥側に置き、ツヤと影がどう出るか確認します。透明な器や照りの強い料理は反射も見て位置を調整します。
- 光が硬ければディフューザーを使う。光を通す面の大きさや、料理との距離でも影の出方が変わります。紙や布は発光部や発熱部に直接触れさせず、使用する器具の説明書に従ってください。
- 必要な範囲にピントが合うF値を決める。一皿の一部をぼかす場合はF4前後、全体を見せる場合はF5.6〜F8程度を出発点に、拡大表示で確認します。レンズや撮影距離によって適した値は変わります。
- シャッタースピードを同調できる範囲にする。カメラ・ストロボ・送信機の仕様を確認し、通常発光では同調速度を超えない範囲に設定します。
- ストロボの発光量で明るさを調整する。最初に絞りとISOを固定しておくと変化を確認しやすくなります。手前だけ暗い場合は、光量を増やす前にレフ板の位置を変えてみます。
- 料理の色と白飛びを確認する。室内灯や窓の光が混ざると色が変わることがあります。撮影条件をそろえ、必要に応じてホワイトバランスを調整します。
料理写真はライティングが重要
光を取り入れるには「ライティング」が特に重要になってきます。
ライティングで上手く料理に光を当てることで料理が明るくなって「美味しそう」な写真になります。
そしてライティングによる光が料理に当たるからこそ陰影ができて、より料理が引き立ってきます。
なので全体に明るい写真だけでなく、暗いトーンで撮影したい場合でも料理にはライティングを当てないと本当に単なる暗いだけの写真になってしまうので、どちらの場合でもライティングは必須です。
料理写真のライティング必要なストロボはどんなものがいいの?
では「ライティングに必要なもの機材って何がいるの?」ってお話ですが、「ストロボ」さえあれば大体は何とかなります。
求める写真のクオリティーが上がってくればもっとさらに必要なライティング機材は増えてきますが、そんなに光量があってもやり過ぎると不自然になってきますので、まずは「ストロボ」だけで十分だと思います。
ではその「ストロボ」でもどんなものがいいのかって事ですが、プロクラスまでのものを求めるのではなければ光量がでるものであればそこまで問題ないかなと思います。
ただ料理の写真を撮影する際にはカメラにつけて撮影する「クリップオンストロボ撮影」ではなく、ストロボをカメラとは別の位置に置いて撮影する「オフカメラストロボ撮影」になるので「ラジオスレーブ」などのライティングの遠隔操作ができることが必要ですが、ここで書くと本題から逸れて長くなってしまうので、また別の記事でまとめてご紹介します。
料理写真の基本ライティングは「逆光」と「半逆光」
ストロボのライティング位置ですが、基本的な料理写真の撮影は「逆光」かまたは「半逆光」

【逆光】

【半逆光】

理由として料理に陰影ができるので臨場感がでることと、後ろから光が料理の輪郭に当たることでツヤがでて料理が際立つからです。
逆に正面からストロボで撮影する「順光」だと全体に光があたりのっぺりとした陰影があまりない写真になってしまいます。
なのでまずはこの「逆光」または「半逆光」で料理写真は撮影するってことだけ覚えておくだけでも、料理写真が格段によくなります。
この方法はスマホで料理を撮影する際にも応用できるので、何か光源さえ持っていれば(誰かいればその人のスマホのライトでも)後ろから光を当てて撮影するだけでもいい感じの写真を撮ることも可能です。
光を和らげるディフューザー
あともう一つ光を工夫するものとして必要な存在が「ディフューザー」です。
「ストロボ」でも光量は調整できますが、ガチガチの光よりふんわりとした光が全体に当たる方自然な感じになるのでおすすめです。
トレーシングペーパー
まずおすすめしたいのは「トレーシングペーパー」
お値段もお手頃でふんわりした光を出したいのにお手頃です。
くしゃくしゃにすることで光を変化させることも出来ますし、「ストロボ」の光量調整では出来ない微妙な光の強さも「トレーシングペーパー」を重ねて使えば調整出来ます。
テーブルクロス

意外と「ディフューザー」として使いやすいのが「テーブルクロス」
テーブルクロスでなくてもいいのですが、白地の布は結構使いやすいです。
「トレーシングペーパー」は光を調整するには一番使いやすいですし、畳もうと思えば必要な分だけ切って畳んでおくこともできますがどんどんボロボロになっていきます。
その点、布であれば畳んだくらいでは問題ないので気楽に使えるのが利点です。

あと料理の背景を何も写り込ませたくない場合は「背景」と「ディフューザー」の両方の役割を担うことができるのもいいです。
撮影当時はニトリで購入した120cm×120cmの白いテーブルクロスを使っていました。価格や取り扱いは変わるため、現在の商品情報を確認してください。
ソフトボックス
「ソフトボックス」もいいのですが、広い範囲の料理の撮影には不向きだったり、ディフューザーとしての調整が効きにくいのでブツ撮りのような単品の料理ならいいですが、それ以外のいっぱいの料理や背景を入れての撮影なら「トレーシングペーパー」か「テーブルクロス」をおすすめします。
ストロボ1灯での料理写真の設定と撮影方法
前置きが長くなりましたが、ここから先に紹介した「ストロボ」や「ディフューザー」を使っての料理写真の設定と撮影方法をお伝えします。

「逆光」「半逆光」どちらでも良いのですが、今回は実際に「半逆光」で撮影したものをお見せしながら解説していきたいと思います。
背景のボケた料理写真の設定・撮影方法

【 F4.5 ISO100 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 1/16】
まずは一眼カメラの醍醐味でもあるボケを活かした料理写真の方法から。
ホワイトバランスやシャッター速度なども考慮していくと、どんどん難しくなっていくのでこのあたりはホワイトバランスがオート、ISO感度を100で、F値・シャッタースピード・ストロボ光量に的を絞って簡単に設定できる方法をお伝えします。
まずは「ボケ味」をだすのに重要な「F値」から。
F値は開放にすればするほどボケが得られますので、こういった写真を撮りたい場合はF値を開放気味にします。
この時に使用したレンズはF2.8まで開放できるレンズですが、F4.5でもここまでボケます。
パンの後ろ側まで見せたい場合は、F4.5からF5.6などF値を大きくして、必要な範囲にピントが合うか確認します。
この撮影の時に使ったストロボは「GODOX AD200」です。撮影当時の記録では発光量1/16としていました。上のキャプションは当時の設定メモであり、照射角などの設定可否は使用するヘッドや機材によって異なります。
まだ明るいようなら発光量を1/32でもいいかもしれません。
よくストロボって露出がなんたらとか計算がどうとか言われますが、撮影したものが望むものになればどうだっていいと思います。
その望む写真に覚えておけばいち早く設定を計算できるってだけでなので、細かいことは気にしない。
ボケを活かした料理写真が撮りたければ「F値」を開放にして、ISO感度は100を出発点にし、シャッタースピードは機材の同調速度以内で設定して「ストロボ」の発光量で明るさを調整すればOK!
発光量が1/16と1/32の間くらいでよければ、機材の細かな光量設定や光源との距離で調整します。通常発光・同調速度以内では、シャッタースピードは主に室内灯や窓の光の写り方を変えます。ストロボ光の明るさは発光量・距離・絞り・ISOで調整してください。
ISO感度で明るさを調整しないのは、ISO感度を上げれば上げるほど画像にノイズが含まれてきますので極力使わない方がより綺麗な写真になります。
レフ板で料理の前面にも光を回す

この撮影をした時にレフ板なしの撮影をするのを忘れていて比較画像ができないのが申し訳ないですが、実際には手前にレフ板もおいて撮影しています。

もう一度見てもらうと分かると思うのですが、パンの手前側がそこまで暗くないですよね。
これは後ろからの光を反射させて手前のパンの側面にも光が当たるようにしているからです。
場合によっては無い方が雰囲気がでるものもあるので一概にレフ板で光を前にも回す必要があるかどうかは料理にもよりますが、今回のような側面がはっきり見えて暗いと美味しくなさそうに見える場合は使った方がいいです。
アマゾンなどでもレフ板は売られていますが、別にそこまで特殊なものじゃなくても光が反射出来さえすれば良いので、100均に売られている白いボードを買ってきても代用できます。
もっと言えば、片一方にアルミ箔でもテープでつけておけば回す光の強さも調整できます。
俯瞰(真上)でカッチリとシャープな料理写真の設定・撮影方法

【 F16 ISO500 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 1/4】
次はボケ味を活かした写真とは反対のシャープなカッチリとした料理写真の設定と撮影方法です。
料理写真でシャープな印象の写真にしたい場合って俯瞰(真上)から全体を撮影したい時が多いのでは無いでしょうか?
だって料理写真を全体的に映したいのに、四隅がブワッとボケていたら締まりのない写真になってしまいますからね。
そんなわけでシャープに撮影する方法ですが、こちらは「F値」を絞ることでシャープにしていくことができます。
上の写真ではF値を16に設定しています。
必要な範囲にピントが合うF値を選びます。絞りすぎると回折によって細部が甘くなることがあるため、F16より大きい数値にすれば必ずシャープになるわけではありません。F5.6〜F8などから試し、写真を拡大して確認しましょう。
この作例ではISO500、ストロボの発光量1/4と記録しています。絞ることで暗くなった分は発光量やISOで調整します。手持ちの俯瞰撮影では、同調できる範囲でブレにくいシャッタースピードを選び、必要ならカメラを安定して支える撮影方法も検討してください。

基本的なライティングの配置は「ボケを活かした料理撮影」と一緒です。

【 F8 ISO160 シャッタースピード 100 WB オート ストロボ:照射角 24mm 発光量 1/8】
また四隅まで料理を配置していなくて、料理さえカッチリすればいいって時ならばもう少しF値を開放にしてもいけると思います。
正直ボケを活かした写真よりもシャープな料理写真の方が難しいです。
F値を絞ると光量が減るため、ストロボの発光量やISO感度を調整する必要があるためです。
必要な範囲にピントが合うF値が決まったら、ISOと同調できるシャッタースピードを固定し、まずストロボの発光量で調整すると変化が分かりやすくなります。
なるべく調整するものを減らしていくのが簡単に撮影するコツです。
ホワイトバランスはレタッチするかで決める

実は今回紹介した料理写真は少しレタッチしています。
じゃあ先ほどまでのホワイトバランスってオートだったけど「違うんじゃないか!」と怒られかねませんが、ハッキリいって真っ暗な部屋でストロボだけを使って撮影する以外の場合、ストロボ以外に部屋の中に入る自然光の光の度合いでもかなり印象が変わってきます。
そのため一概に「コレ!」と設定を言ったところで撮影される環境にかなり左右されます。
ホワイトバランスのオートは最初の試し撮りに便利ですが、同じ料理を続けて撮ると色がばらつく場合があります。色をそろえたいときは、光源に合う設定やカスタムホワイトバランスを使い、白い皿や料理の色を確認しましょう。RAW撮影では後から調整もしやすくなります。
「また逆にレタッチする気なんてないし、どうすればいいのよ」って方は、先ほど述べた設定・撮影方法でライティングが決まったあとの最後の仕上げでホワイトバランスを変更していけば、ライティングはそのままに印象の違う写真を撮影することが可能です。
奥が深い料理写真の撮影ですが、まずは簡単に撮影する方法としてこの設定を覚えていれば、今までよりも格段に美味しく見える料理写真が撮れます!
あとは実践あるのみ!なんとな〜く意味だけでも分かっていれば撮影している時に、どんどん楽しく理解して上達していくはずです。ぜひお試しあれ!
うまく撮れないとき、どこを変える?
| 困っていること | 最初に見直すところ |
|---|---|
| 料理の手前だけ暗い | 白いレフ板を手前側に置き、料理との距離を変える。 |
| 影が硬い | ディフューザーやソフトボックスの大きさ・距離を確認する。 |
| 料理全体が暗い | ストロボの発光量、光源との距離、絞り、ISOを一つずつ調整する。 |
| 料理の奥がボケすぎる | F値を大きくして、必要な範囲にピントが合うか確認する。 |
| 画面の一部に黒い帯が出る | シャッタースピードを遅くし、カメラとフラッシュの同調条件を確認する。 |
| 連続した写真で色がばらつく | 混ざる光とホワイトバランスを確認し、同じ条件で撮影する。 |
ストロボ光と室内の光は分けて考える
通常発光のストロボは短い時間だけ光ります。同調速度以内で、発光が露光時間に収まる通常の撮影では、シャッタースピードを変えてもストロボ光による明るさはおおむね変わりません。一方、室内灯や窓からの光は、シャッターを開けている時間が長いほど多く取り込まれます。
そのため、ストロボ光による料理の明るさは発光量・距離・絞り・ISOで調整し、シャッタースピードは周囲の光とのバランスやブレを見ながら決めます。ハイスピードシンクロなどの特殊な発光方式では条件が異なります。
機材ごとの制限はソニーのフラッシュ同調に関する説明や、お使いのカメラ・フラッシュの説明書を確認してください。
設定の関係を整理したい方は絞り・シャッタースピード・ISO感度の早見表へ。撮影を仕事として受ける際の準備は、物撮りの依頼から納品までの実例で紹介しています。
撮影の準備から納品まで、次に読む記事
- 初めて撮影の依頼を受けたときの確認チェックリスト:目的・カット数・納品条件を打ち合わせでそろえる。
- 自宅で商品撮影する6手順:窓の光と白いボードで撮影を試す。







