望遠レンズで起こる圧縮効果とは?誰でも使える方法や最適なシーンに動画撮影に応用したドリーズームまで解説

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望遠効果サムネ

望遠レンズってどうしても被写体をズームしただけの単調な写真になりがちな感じがあります。

望遠レンズには被写体をズームする引き寄せ効果の他に、ボケ効果切り取り効果などがありますが、ちょっとわかりにくいのが圧縮効果ではないでしょうか。

圧縮効果を理解して、望遠レンズの撮影の幅を広げましょう。

望遠レンズの圧縮効果とは?

望遠レンズの圧縮効果とは、被写界深度を深くして望遠撮影をしたときに起こる遠近感の喪失です。

わかりにくいですね。

もっと簡単に説明すると、望遠レンズで撮影すると、離れている距離にあるはずの複数の被写体が近づいているように写ることを圧縮効果と呼びます。

この飛行機の写真では、作業員が飛行機の翼の上か、すぐ近くで作業しているように見えませんか?

実際には、翼から十数メートル後方に離れているのですが、圧縮効果でこの様に見えるのです。

飛行機が建物スレスレに飛んでいる写真やCMで有名になったベタ踏み坂などはこの手法を生かして撮影されています。

飛行機と建物の間の距離、坂の全長が現実の遠近感よりも圧縮されることにより、スレスレ感や急坂感が生まれています。

この様に遠近感が現実のイメージとズレて感じるような写真は、圧縮効果を利用しているものが多くあります。

高倍率ズームのコンパクトカメラや望遠レンズを一眼レフカメラに装着して撮影するときは圧縮効果を頭に入れておくと、面白い写真や印象的な写真を撮影することができます。

望遠レンズでの撮影は単調なズーム写真が増えてしまいがちですが、圧縮効果を意識すると、風景写真も狙ってみようという気分になります。

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望遠レンズに圧縮効果はない!?

先程、望遠レンズの圧縮効果を説明したばかりなのに、次は全否定。

決して情緒不安定なわけではありません。

圧縮効果は望遠レンズの撮影テクニックとしてよく説明されるのですが、ネット上にはこれを否定する意見もあるのです。圧縮効果は正しく理解する必要があります。

「圧縮効果がない」という意見は下記のサイトで説明されています。

英語のサイトでちょっとわかりにくいですが、「レンズの圧縮効果は存在しない」と銘打って、望遠レンズの圧縮効果を否定しています。

このサイトにあるように、確かに圧縮効果自体は望遠レンズによって生み出されるものではなく、被写体と撮影者の距離によって生み出されるものです。

メインの被写体に近づいて撮影すれば、背景は遠くに見え、離れて撮影すれば背景は被写体に近づいて見えます。

サイトのGIF動画でも分かるとおり、一見、望遠レンズの圧縮効果で生み出されたような写真でも広角で撮影したものを拡大した写真と圧縮加減は変わりません。

つまりどんなレンズを装着したカメラでも圧縮効果は生み出されているのです。

しかし、このことは圧縮効果が望遠レンズによって生み出された特有の現象ではないということの証明であって、圧縮効果そのものの否定ではありません

圧縮効果は被写体から離れて撮影したときに起こる遠近感の喪失で、被写体からなるべく離れて撮影することで強く現れます。

そして、被写体から離れて撮影しつつ解像度を保つには、広角で撮った画像の拡大ではなく望遠レンズが必要ということです。

結局の所、圧縮効果には望遠レンズが必要なので、「望遠レンズに圧縮効果がない」というのは言葉遊びのような感じがします。

ただし、圧縮効果がどのように生み出されているのかを知ることはカメラとレンズと構図の関係を正しく理解するために大切なポイントとなります。

望遠レンズの圧縮効果を上手に使う方法

圧縮効果が正しく理解できていれば、それをうまく使う方法は自ずと見えてくるはずです。

最も大切なことは主題となる被写体から距離をとるということです。

被写体から離れれば離れるほど、圧縮効果は強くなります。

そしてもう1つは圧縮効果を演出する副題にも解像感を与えることです。

背景ボケが強いと圧縮効果は生まれません。

背景などの副題にも解像感を出すためにはフォーカスを無限遠にしたり、F値を大きくして被写界深度を深くすることがポイントとなります。

あとは圧縮効果がうまくハマるような被写体を見つけて、ある程度離れてから撮影するだけです。

被写体から離れればレンズは広角でも標準でも圧縮効果のある写真は撮れるのですが、被写体との距離があって小さく写ってしまうのでトリミングして拡大する必要があります。

そうすれば画素数が落ちるので、圧縮効果を意識した写真を高解像度で撮影するならば望遠レンズを使う以外の選択肢はなくなります。

一眼レフカメラの場合、焦点距離が長い望遠レンズの方が被写体から離れられるので圧縮効果が強くなるということは繰り返しになりますが、もう一つセンサーサイズもポイントになります。

一眼レフのセンサーサイズには主にフルサイズAPS-Cという2種類がありますが、通常の撮影ではセンサーの大きなフルサイズが画質もよくなります。

しかし、圧縮効果に関してはAPS-Cの方がセンサーサイズが小さいことで、同じ望遠レンズを使った場合、画角が狭くなり圧縮効果も強く現れるようになります。

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圧縮効果が使える撮影シーン

圧縮効果の原理や手法がわかったところで、具体的にはどのようなシーンで使えるのかということをみていきましょう。

似たような被写体が集まっているところ

似たような被写体が集まっているところで圧縮効果を利用するとより密集感が増します
圧縮効果で被写体同士の距離感が縮まって見えるので、人混みなどを対象にするとより強く混雑度合いを印象付けます。

大きさのアンバランスがある被写体

この手法はよく飛行機を被写体として使われます。

飛行機と橋、飛行機とビル、飛行機と月など望遠レンズで撮影すると、飛行機の迫力が伝わる写真になります。

飛行機は巨大な乗り物ですが、橋やビル、月に比べれば当然小さいわけですが、圧縮効果で距離が縮まるとサイズ感に錯覚が起きて飛行機がとても大きく見えます。

見通しのよい道などの被写体

photo by mstk east

CMで使われたベタ踏み坂の様にちょっとした急坂で圧縮効果を使うと、実物以上の急坂に見えます。

これはベタ踏み坂じゃなくても、似たような見通しの良い坂道があれば撮影可能です。

他にも奥行き感のある被写体で圧縮効果を使うことで、人混みをより混雑しているように写したり、イルミネーションの密度をより高めたりすることができます。

この他にも圧縮効果が使える撮影シーンは無数にあります。

素敵な写真や画像で圧縮効果が利用されていることに気づいたら、似たようなシチュエーションに出会ったときに真似してみると良いでしょう。

動画撮影でも応用できる圧縮効果「ドリーズーム」

圧縮効果を正しく理解すると、動画撮影にも応用できます。

実は動画撮影においては、古くからドリーズームとして圧縮効果を利用した印象的な演出がなされています。

「ドリー」とは台車のことで、台車にカメラを載せて、被写体との距離を徐々に変えつつも、被写体の画面内での大きさが変わらないように撮影する手法です。

圧縮効果が理解できていれば、映像を見なくても何が起きるか想像できるかと思いますが、実際には想像以上に面白い映像となります。

本来は台車を使ってカメラの向きを固定したまま静かに前後移動させるので大掛かりな撮影となりますが、ズーム機能のあるドローンを使ったり、カメラをジンバルに固定して振動を抑えたりすれば個人でも応用可能です。

ドリーズームを活用すればプロっぽい映像となりSNSでも注目を集められそうですね。

圧縮効果は普段、意図せずそういった写真が撮れることもありますが、言葉を理解して覚えておくことで標準ズームでは味気ないものになる被写体にアクセントを与え、面白い写真となることもあります。

望遠レンズを持った時は圧縮効果を意識して、トリッキーな写真に挑戦してみたいですね。

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