レタッチにLuminar4がカンタンで便利すぎる!トライアル試してみてはいかが?

古いフルサイズミラーレスはまだ使える?5年前のα7IIIでプロの仕事は可能か検証

最新のカメラが次々に出るけど、高すぎて手が出ない…。型落ちした昔のプロ機って、今でも仕事で使えるのかな?

毎年のように発表される、息をのむようなスペックの新型カメラ。その情報に触れるたび、「自分の機材はもう古いのかもしれない…」と、漠然とした不安を感じてしまうのは、クリエイターの宿命かもしれません。

しかし、本当に「新しいものが常に最良」なのでしょうか?特に、2018年に登場し、フルサイズミラーレス市場の勢力図を塗り替えたと言われるソニーの「α7III」。発売から5年以上が経過した今、この「かつての名機」は、プロフェッショナルの厳しい要求に応えうる実力を、まだ備えているのでしょうか?

この記事では、単なるスペックシートの比較ではありません。実際にソニーα7IIIを撮影現場に持ち込み、「ポートレート撮影」「商品撮影」「低照度下での撮影」という3つの異なるシナリオで、その実力を徹底検証します。そして、Photoshopによる後処理で、そのポテンシャルをどこまで引き出せるのかを明らかにします。


なぜα7IIIは「名機」と呼ばれたのか?

α7IIIが登場した当時、その性能は衝撃的でした。それまで高価格帯のモデルにしか搭載されていなかった高性能なオートフォーカス、優れた高感度耐性、そして信頼性の高いデュアルスロットなどを、比較的手の届きやすい価格で実現。「ベーシックモデル」の概念を根底から覆し、多くのプロやハイアマチュアがこぞって乗り換える社会現象を巻き起こしたのです。

今なお色褪せない、α7IIIの主要スペック
  • 有効約2420万画素 裏面照射型CMOSセンサー:十分な解像度と、優れた高感度性能を両立。
  • 693点像面位相差AFセンサー:画面の約93%をカバーする、高速・高精度なオートフォーカス。
  • リアルタイム瞳AF当時としては画期的だった、人物の瞳を自動で追従する機能。
  • 最高約10コマ/秒の連写性能:決定的瞬間を逃さない。
  • デュアルカードスロット:プロの現場で必須の、データのバックアップ記録に対応。

これらのスペックは、2025年の今見ても、多くの撮影シーンで十分すぎるほどの性能と言えます。問題は、このスペックが「実際の仕事でどう機能するか」です。


プロの現場で徹底検証:α7IIIはどこまで戦えるか?

今回、クライアントワークを想定した3つのテストを実施しました。果たして、その結果は…?

テスト1:ポートレート撮影 – 「瞳AF」の精度と肌の再現性

モデル撮影で最も重要なのは、言うまでもなく「瞳へのピント」です。α7IIIの瞳AFは、最新機種のAIによる被写体認識(鳥、動物、昆虫など)には対応していませんが、「人物の瞳」を捉える基本性能は驚くほど高く、モデルが動いても粘り強く追従してくれました。

また、裏面照射型センサーが捉える肌のトーンは非常に豊かで、Photoshopでのレタッチ耐性も抜群。柔らかな光の中での撮影では、最新機種と比べても遜色のない、美しいポートレートを撮ることができました。

Q. 最新機種の瞳AFとの差は?

A. 横を向いたり、顔の前に手がかかったりすると、ピントが外れる瞬間は確かに最新機種より多くなります。しかし、一度瞳を捉えれば、その精度は今なおプロレベル。撮影者が少しだけカメラをアシストしてあげる意識を持てば、全く問題なく使えます。

テスト2:商品撮影 – 解像度と色の正確性

ECサイトの商品撮影など、細部のディテールと正確な色が求められる現場ではどうでしょうか。約2420万画素という画素数は、巨大なポスター印刷でもしない限り、ほとんどの商業案件で十分な解像度です。三脚に固定して丁寧にライティングすれば、商品の質感や素材感を忠実に写し撮ることができました。

色の再現性も高く、カラーチャートを使ったテストでもニュートラルで素直な色味。Photoshopでの色調整も非常にやりやすく、クライアントの要求する正確な色を問題なく作り出せます。

テスト3:低照度下での撮影 – 高感度ノイズ耐性

室内イベントや薄暗いレストランでの撮影など、ISO感度を上げざるを得ないシーン。これは古いカメラにとって最も厳しいテストの一つです。ISO6400あたりまでは、実用上ほとんど問題のないクリーンな画質を維持。それ以上になるとノイズは目立ってきますが、絶望的なレベルではありません。そして、このノイズこそが、後述するPhotoshopの進化によって克服可能な領域なのです。


結論:α7IIIは「まだ使える」のか?それとも「今こそ買うべき」か?

3つのテストを経て、結論は明確です。α7IIIは、2025年の今でも、多くのプロの仕事で「十分に通用する」カメラです。

Photoshopの進化が、α7IIIを「延命」させる

特に見逃せないのが、Adobe Photoshopの驚異的な進化です。例えば、高感度撮影で発生したノイズは、最新のAIを活用した**「ノイズリダクション」機能を使えば、ディテールを保ったまま驚くほどクリーンに除去できます。

つまり、カメラ本体では少し見劣りする部分を、現代のレタッチ技術が補ってくれるのです。α7IIIが記録する情報豊かなRAWデータと、最新のPhotoshop。この組み合わせこそが、型落ちした名機を「現役」として戦い続けさせる、最強のタッグと言えるでしょう。

ただし、最新機種に劣る点も…
  • 動画性能:4K撮影は可能ですが、10bit収録や4K/60pには対応していません。動画がメインの仕事には力不足です。
  • 操作性:EVFや液晶の解像度は低く、メニュー構造も古いため、最新機種に慣れていると少しストレスを感じるかもしれません。
  • AF性能:「人物の瞳」以外を追いかけるAI被写体認識AFはありません。鳥や動物、乗り物を撮るなら最新機種が有利です。

まとめ:誰がα7IIIを手にすべきか?

最終的に、あなたがこのカメラを選ぶべきかどうかは、あなたの目的によります。

2025年にα7IIIをおすすめする人・しない人

【こんな人におすすめ!】

  • これからプロを目指す人:圧倒的なコストパフォーマンスで、プロの基本性能が手に入ります。浮いた予算をレンズや照明に回すべきです。
  • 写真メインのクリエイター:動画性能にこだわらなければ、スチル撮影においては今なお一線級の実力です。
  • 信頼できるサブ機を探しているプロ:メインカメラが故障した際のバックアップとして、これほど心強い相棒はいません。

【他のカメラを検討すべき人】

  • 動画制作が仕事のメインである人。
  • 野鳥やスポーツなど、高速で不規則な被写体を追いかける人。
  • 常に最新・最高のテクノロジーを求める人。

技術は日進月歩で進化しますが、「良い写真」の本質は変わりません。機材のスペックに振り回されるのではなく、その道具のポテンシャルを最大限に引き出す知識と技術こそが、プロフェッショナルとしてのあなたの価値を決めます。その意味で、ソニーα7IIIは、写真の本質と向き合うための、最高の「相棒」であり続けるでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です