水滴は精密機器であるレンズやカメラの大敵。
そうは言っても、撮影中に突然雨に降られることもありますし、イベント当日が雨ということもあります。
一眼カメラの雨の日撮影についてみていきましょう。
一眼カメラの防滴・防塵性能は如何ほど?
一眼カメラには完全防水というカメラはありません。
レンズ交換式という構造やボタン類が多いので、なかなか防水設計というのは難しいのです。
しかし、多くの一眼カメラは防塵防滴性を持たせてあります。
上位機種の驚くべき防塵防滴性
NikonのD5、Canonの1Dxといった上位機種はとにかく頑丈であるということは有名ですね。
Youtubeには数十万円もする高級カメラを、落としたり、水をかけたり、火で炙ったりと驚くべき耐久テストをしている動画があります。
もちろんそれらはメーカー保証外なので自己責任となりますが、D5や1Dxはかなり雑に扱っても壊れないカメラということが言えます。
もちろん雨ぐらいの水滴ではビクともしないので、雨の日でも心配なく持ち出すことができます。
防塵防滴に配慮した設計
D5、1Dxの防塵防滴性は群を抜いていますが、その他の一眼カメラのスペック表でよく見られる文言が防塵防滴に配慮した設計というものです。
これがけっこう曲者で、メーカーとしては水濡れを完全に保証しないものの、設計上はある程度の防塵防滴性をもたせているというものです。
ボタン類や接続部分にはシーラントやゴムパッキンがあり、密閉性は保たれています。
ある程度の防塵防滴性があるのでにわか雨程度では問題ありませんが、長時間雨に打たれると大丈夫なのかわからないというものが防塵防滴に配慮した設計ということです。
では、どの程度なら大丈夫なのでしょう。
これについてもネット上でよく検証されていたりしますが、印象としては、思っていたよりも大丈夫ということです。
ハイアマチュアモデルなどはD5、1Dxの防塵防滴性に近い性能があるものもあります。
しかし、防塵防滴に配慮した設計のカメラは水濡れ故障の場合は保証外となる場合もあるので注意が必要です。
防塵防塵と言っても雨対策は必要
結局の所、一眼カメラで雨の日撮影する場合には何らかの対策は必要なのです。
D5、1Dxと言えども、極端に濡れれば、いくら水滴を拭いたと言えどもレンズ交換やバッテリー交換などの際に水滴や塵が入り込む可能性はあります。
そもそも、レンズの防塵防滴性との兼ね合いもあります。
高級レンズは防塵防滴性があるものが多いですが、レンズもカメラと同じく防塵防滴に配慮した設計のものもあり、雨の日対策は必要です。
レインカバーはさほど高くない
一昔前まで、一眼カメラ用のレインカバーは選択肢が少なく、メーカー純正のものだと1万円以上するようなものしかありませんでした。
もちろんメーカー純正であればカメラにフィットして使い勝手もよく、防水性能も高いことでしょう。
プロのカメラマンならば必須の装備とも言えます。
ただ、いつ必要となるかわからない、年に数回の雨の日撮影に1万円近い出費は痛すぎます。
最近では、社外品であれば数千円で一眼カメラ用のレインカバーを手に入れることができます。
ある程度の防滴性があるカメラであれば、水滴1つ通さないような超高性能レインカバーは必要ないので、社外品でも十分に雨の日撮影に対応することができます。
ホテルに行ったらシャワーキャップを確保
最もお金のかからない雨対策としては、シャワーキャップです。
ビジネスホテルに泊まるとアメニティーとしてシャワーキャップがおいてあります。
これを1つ持ち帰って、カメラバッグに入れておくと、いきなり雨に降られてもさっとカメラに被せて簡易的なレインカバーにすることができます。
応急的な処置としては十分対応できるので、レインカバーを購入するまでの間に使ったり、することができます。
ビジネスホテルのアメニティーにシャワーキャップがあったら、1つ持って帰ってカバンに入れておくといざというときに役立ちます。
雨の日に撮りたい景色
カメラを濡らしたくないから、雨の日は撮影しないという人もいることでしょう。
しかし、雨の日に撮影しないというのはとてももったいないことです。
雨の日撮影の設定
雨の日に撮影するときのカメラの設定はシャッタースピードがポイントになります。
シャッタースピードを早くすれば、雨粒が止まった瞬間を撮影できますし、遅くすれば雨は線になって雰囲気のある写真となります。
また、雨の日は光が少ないことが多いので、ISO感度に注意してノイズ感が少ないギリギリまでISOを上げればシャッタースピード設定の幅が広がります。
まずは雨上がり
カメラを濡らすのが怖いという人は、まず雨上がりの撮影に挑戦してみましょう。
雨上がりは水滴や水たまりに光が反射してフォトジェニックに溢れています。
水たまりは風がなければ鏡のように景色を反射してくれます。
水滴は玉ボケを生み出したり、水滴を近接撮影すれば違った景色が見えてきたりもします。
そういった景色はわざわざ遠出することなく、家の近所で見ることができるので、まずは雨上がりにカメラを持ってちょっと出かけてみると雨の日撮影の魅力が見えてきます。
雨の日にしかできない撮影
雨の日は、晴れや曇りの日では撮影できない、非日常が溢れています。
撮影という目的がなければ、足早に帰ることも多い雨の日はすぐ近くにある素敵な景色も見逃してしまいがちになっています。
レインカバーをつけたカメラを持って、レインコートを羽織り、水濡れ上等で街に繰り出せばそこには多くのフォトジェニックを見つけることができます。