子供の運動会撮影は、お父さんの存在感を示すチャンスでもありますが、失敗すればその立場を危うくするピンチでもあります。
そんな運動会撮影において、もっとも大切なのは機材選びです。
特に、カメラとレンズ選びは最重要課題とも言えます。
写真の出来はやはりカメラとレンズに大きく左右されます。
運動会に最適のカメラとは
お金ならある。
じゃあ、プロと同じカメラを買おう。
そうもいかないのがカメラ選びの難しいところで、特に、運動会という特定の撮影目的があるときはハイスペックであれば何でも良いとはいかないものです。
もちろんお小遣い制のお父さんは限られた予算からカメラを選ぶ必要もあります。
運動会撮影に適したカメラとはどの様なカメラになるのでしょう。
コンデジとレンズ交換式一眼カメラの違い
運動会撮影に限らず、カメラ選びで一番最初に迷うところはレンズ固定式のいわゆるコンデジにするのか、レンズ交換式の一眼カメラにするのかというところでしょう。
運動会撮影に限れば、間違いなく一眼カメラがベストです。
もし、予算が2~3万円ほどしかないのならば、選択肢はコンデジしかなくなりますが、5万円ほどの予算があれば一眼カメラにも十分手が届いてきます。
運動会撮影で一眼カメラを選択するメリットは、大きな背景ボケと高いAF性能、レタッチ耐性です。
一眼カメラの方が、コンデジよりも大きく背景がボケます。
運動会のように背景がゴチャゴチャしやすい撮影の場合は、背景をボカすことで主役の子供が引き立ち、良い写真が撮れます。
また、運動会の様に、被写体が動いている撮影ではAF性能がとても重要になります。
コンデジよりも大きなAFセンサーを搭載する一眼カメラのAF性能は別次元です。
ピンボケ写真を連発しないためにも、AF性能はこだわりたいポイントです。
そして、最も大きな理由はレタッチ耐性です。
大きなセンサーサイズの一眼カメラはうっかり暗く写ってしまった写真でも、あとでかなり明るく加工することができます。
また、トリミングしても同じ画素数ならば、コンデジよりもセンサーサイズの大きな一眼カメラの方が画質を保つことができます。
コンデジのメリットはなんと言ってもコンパクトなところですが、運動会の様に観覧席に荷物を置いて撮影するのであれば、街中スナップとは違いコンパクトさはそこまで大きなアドバンテージにはなりません。
むしろ、デカいカメラで撮影頑張ってるオーラを身にまとったほうが撮影ポジション争いでも優位になります。
まずは入門機
では、どのような一眼カメラを選べば良いでしょう。
運動会撮影で、はじめての一眼カメラということならば、入門機がベストです。
各社の一眼カメラ入門機は、運動会撮影を念頭において開発されています。
そして、ダブルズームキットという、望遠レンズもセットになったお得な商品ラインアップもあるので、予算的にも優しくなっています。
APS-C高速連写機がベスト
ある程度、予算に余裕があって、運動会撮影にベストな機種を選びたいのであればAPS-Cの高速連写機です。
一眼カメラ大手のCanon、Nikonともに、APS-Cというプロ機よりも小さなセンサーサイズの一眼カメラに高速連写機をラインアップしています。
APS-C機は、フルサイズ機と比較すると撮影範囲、画角やボケ量は少なくなりますが、望遠レンズを装着したときに拡大率が大きくなります。
そのため、プロでもスポーツ撮影時にはフルサイズ機ではなく、APS-Cの高速連写機を選ぶこともあります。
まさに運動会にはうってつけのカメラとなります。
プロ機は使えないのか
金ならあるんだから、もうプロ機でいいじゃんという人もいるかもしれません。
大は小を兼ねる。
もちろんその通りなのですが、プロ機は撮影者の腕も試されます。
入門機などにあるようなオート撮影モードなどはほとんどのプロ機には搭載されていません。
全ての機能を理解して、設定してこそ最高の写真が撮れるというカメラがプロ機なのです。
手軽にオート撮影するのであれば、まずは入門機から買って、余った予算はレンズに回すなどしたほうが無難といえます。
運動会に最適のレンズ選び
さて、レンズ交換式一眼カメラは、カメラ選びと同様にレンズ選びもとても重要になります。
特に運動会ではどの程度の望遠機能が必要なのかわからないということもあるでしょう。
運動場の大きさ
運動会撮影でのレンズ選びでは、まず、運動場がどのくらいの大きさなのかを把握しておかなければなりません。
小学校の運動会では、だいたい150m~200mのトラックが使われます。
縦が50~70m、横が40m~50m。
その外周に観覧・応援席テントが設置されるイメージになります。
つまり撮影する場合は最長で70m超、ある程度ポジションを動かせば20~30mくらいの距離が撮影頻度の高い距離となります。
運動会撮影のレンズはこれらの距離で最適化されるレンズが必要ということです。
キットレンズは使えるのか
入門用の一眼カメラには、いわゆるキットレンズがセット販売されているものがあります。
Canonであれば、18-55mm、55-250mm、18-135mmという焦点距離のものがあります。
Nikonならば、18-55mm、55-300mm、18-140mmといった焦点距離でCanonよりも望遠がちょっと長いですが、そこまで気にする程のものではありません。
いわゆる標準ズーム、18-55mmのレンズは運動会ではお弁当タイムくらいしか出番はありません。
18-135mm、140mmというレンズは一見すると広角から望遠まで使える便利ズームレンズに思えますが、望遠側が150mm未満だとトラックの反対側からの撮影ではちょっと望遠が足りず、子供は集合写真くらいの大きさでしか撮影することができません。
もちろん、トリミングすればある程度大きくできるので、トリミング前提であればギリギリ使えるレンズです。
250mm、300mmという焦点距離は入門用の一眼カメラでは運動会ではかなり使えるレンズとなります。
入門機はAPS-Cのセンサーサイズなので、250mmでもかなり拡大して撮影することができます。
流石に70m先の子供をアップで撮影とまではいきませんが、表情がわかるくらいの大きさには撮影できます。
ベストは100-400mm
一眼カメラの経験値や予算を考えずにレンズを選んでみましょう。
候補となるのは、400mmF2.8や600mmF4などの単焦点レンズや、100-400mm、150-600mmなどのズームレンズがまず思い浮かびます。
単焦点レンズは、開放F値が低く、明るいレンズなので美しいボケで被写体を浮かび上がらせますが、運動会のように撮影場所が限られていて被写体との距離を自由に変えられない場合は焦点距離固定というデメリットが目立ちます。
やはりズームレンズが最適解と言えそうです。
そうなると、100-400mmと150-600mmのどちらを選ぶか迷うところですが、小学校の運動会であれば100-400の方が最適でしょう。
もちろん、大きく拡大できることはメリットですが150-600mmとなるとレンズがかなり重くなるので手ブレを抑えることが難しくなります。
手ブレは焦点距離が長くなるほどその影響が大きくなります。
600mmとなると三脚や一脚が必要となり、移動の多い運動会撮影には不向きとなります。
手持ち撮影が多くなることを考えると100-400mmが運動会ではベストのレンズと言えます。
最近ではライトバズーカというかなりコンパクトで軽い100-400mmレンズもあるので、運動会にはもってこいといえます。
カメラとレンズの予算配分
入門機とキットレンズの組み合わせであれば、10万円を切るくらいで購入できます。
型落ちを狙えば6万円くらいの予算でも購入可能です。
しかし、中級機であれば、ボディで10万円ほど。
100-400mmのサードパーティ製ライトバズーカであれば7万円ほどの予算が必要です。
決して安い買い物ではないですね。
まずカメラがないことには撮影できないので、最初は入門機とキットレンズ、翌年はレンズ、更に翌年はカメラ本体という様に、徐々にバージョンアップしていくという方法もあります。
カメラは年々高性能になっていきますが、レンズは比較的進化は緩やかなので、レンズは先に予算をかけても不要になったら高値売却もできたりします。
レンタルという選択肢
予算が限られているという場合は、カメラやレンズはレンタルもできます。
特に高い望遠レンズは運動会でしか使わないのであればレンタルでも良いでしょう。
ただし、レンタルで使う場合は、当日に届かない場合も考えて、コンデジでも良いので最低限レンタル品が届かなくても撮影できる様なバックアップを用意したりすることが大切です。
運動会は我が子の晴れ舞台。
素敵な思い出写真を残すためにもカメラやレンズの準備は計画的に行いたいですね。